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【年金制度改正】2022年4月~「加給年金」見直し 内容と経過措置の適用条件を確認
iDeCoで運用した資産は、60〜75歳の間に3つの方法で受け取れます。
節税効果の高いiDeCo。
掛金は所得税・住民税から控除でき、運用益にかかる税金20.315%が非課税、受け取り時も一定額まで非課税です。
しかし受け取り方によって課税額が大きく異なります。
どのようなメリット、デメリットがあるのか、具体例を交えて説明します。
1番節税メリットが大きいのが、一時金として受け取る方法です。
手数料が1回440円程度で、控除額の大きい退職所得控除が使えるためです。
退職所得控除額は「勤続年数」で決まります。
たとえば、40〜65歳まで25年間iDeCoに加入し、資産が1,200万円になった場合の税額は以下の通りです。
※「勤続年数」はiDeCoの加入期間、「収入金額」は老齢給付金に相当
・勤続年数20年以下:40万円×勤続年数
・勤続年数20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
・退職所得=(退職収入-退職所得控除額)×0.5
退職所得控除額は(800万円+70万円×(25年-20年)=1,150万円
退職所得は(1,200万円-1,150万円)×0.5=25万円
となります。
したがって
所得税は25万円×5%=12,500円
復興特別所得税は12,500円×2.1%=262円
住民税は25万円×10%=25,000円
合計37,762円
となり、かなりの節税効果が期待できます。
所得税と復興特別所得税:国税庁「退職金と税」より
住民税:人事院「退職手当制度の概要 住民税の計算より
iDeCoの一時金と定年退職金を同時に受け取る場合は、税金が高くなる可能性があり、注意が必要です。
対策は後半で詳しく解説します。
また、一括で受け取ると使ってしまうタイプの人は、別の受け取り方法を検討しましょう。
年金として受け取ると、定期収入として管理しやすく、預けている資金を運用できるメリットがあります。
しかし、口座維持手数料と受け取る度に手数料がかかります。
さらに公的年金などと合算して雑所得の控除額を超えると、税金や社会保険料がかかります。
年に2回だけ受け取るなど、受け取り回数を減らせば、費用をおさえられます。
雑所得=年金収入金額-公的年金等控除額
一時金と年金を併用する場合は、それぞれのメリット、デメリットを考慮し、割合を決めましょう。
iDeCoは一時金として受け取るとお得です。
ただし、iDeCoと定年退職金を同時に受け取る場合は注意が必要です。
先にiDeCoを一時金として受け取り、5年以上空けて定年退職金を受け取れば、両方とも退職所得控除の対象となり、節税メリットを最大限に享受できます。
iDeCo受け取りから5年以上経過すれば、定年退職金が退職所得控除の対象となる。
たとえば、60歳でiDeCoを受け取り、65歳で定年退職金を受け取ると、どちらも退職所得控除を受けられる。
退職金受け取りから20年以上経過すれば、iDeCoが退職所得控除の対象となる。
たとえば、55歳で退職金を受け取り、75歳でiDeCoを受け取れば、どちらも退職所得控除を使える。
詳しくは、国税庁のホームページをご参照ください。
老後のことは、定年間際に決めればよいと後回しにしがちです。
いざという時に慌てないよう、50代のうちに以下3点を整理しておくと安心です。
何事も現在地がわからなければ、将来を予測しづらくなります。
まずは全体の資産状況を確認しましょう。
預貯金、投資信託など資産別に把握すれば、リスク資産と安全資産の割合がわかります。
細かく計画しても、人生は思い通りに進むとは限りません。
そこでオススメなのが、ざっくりライフプランです。
まずは毎月の生活費や、自宅のリフォーム費などの特別支出をざっくり見積もります。
次に資産状況と本人の希望に合わせて、どんな形で何歳まで働くのか、いつiDeCoや公的年金をもらうのか大まかに決めて、状況が変われば修正します。
ざっくりプランニングなら、思い描いたシナリオからずれても慌てません。
資産運用で忘れがちなのが、資産配分の変更です。
特に積立投資は、ほったらかしでよいイメージですが、年に1回は運用状況を確認する必要があります。
理想の資産配分から5%以上かけ離れたら、リバランスをしましょう。
受取時期が近づいてきたら、徐々に株式などのリスク資産を減らし、預貯金などの安全資産に移します。
iDeCoで運用した資産は一時金として受け取り、その5年後以降に定年退職金を受け取るのが1番お得です。
定年後は、資産運用をやめるのではなく、NISAで運用してもよいでしょう。
年4%で運用、4%ずつ取り崩すなどの工夫をすると、資産の減りが緩やかになります。
法改正で65歳まで働く人が増え、70歳まで働ける環境作りが事業主に課せられる時代。
iDeCoの受取年齢も75歳まで延びました。
刻々と変わる状況を注視し、自分にとって最適な受け取り方を考えましょう。(執筆者:上原 千華子)
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