土地投資を検討しているものの、どんな種類があるのか、どんなメリット・デメリットがあるのか分からないとお困りの方はいませんか? 本コラムでは、代表的な土地投資の種類6つと、それぞれの特徴を詳しく紹介します。また、土地投資のメリットやおすすめの人・投資時の注意点についても掘り下げて解説します。

土地投資を行う際には本コラムを参考に、今後の活用方法についてしっかり計画を立てるようにしましょう。

土地投資とは?

(画像:PIXTA)

土地投資とは、将来的な土地の価値の上昇や収益の獲得を目的として土地を購入することです。土地は有限な資源であることから、適切な場所・条件の土地であれば価値が下がりにくく、長期的には価値が上がる可能性が高いとされています。また、単に土地を所有するだけではなく、その土地を活用することで、さまざまな形で利益を得ることができます。

土地投資は不動産投資の一形態ではありますが、建物の建設や維持管理が不要な場合もあるため、比較的リスクの低い投資方法として注目されています。また、土地投資の魅力は、その多様性にあります。駐車場やコインランドリー、太陽光発電など、さまざま用途で土地を活用できるため、投資家の目的や予算にあわせて柔軟な投資をすることが可能です。

土地投資の種類と特徴

ここからは、6種類の土地投資方法について、それぞれの特徴、メリット・デメリットを紹介します。

  1. 不動産投資
  2. 駐車場投資
  3. コインランドリー投資
  4. 無人冷凍販売投資
  5. トランクルーム投資
  6. 太陽光発電投資

不動産投資

メリット
・比較的利益が大きい
・税制面での優遇がある

デメリット
・初期費用が高い
・管理の手間がかかる

不動産投資は、アパートやマンションなどの賃貸物件を購入し、家賃収入を利益とする投資方法です。土地だけではなく建物にも投資するため初期投資額は大きくなりますが、その分、比較的利益も大きくなります。また、物件全体の価値上昇による売却益を狙えるのもポイントになります。

ただし、建物の維持管理や空室リスクなど考慮すべき点も多くあります。そのため、どの投資にも共通する視点ではありますが、投資にあたっては自分自身で知識を蓄え、リスクについて把握することや対策をあらかじめ検討しておくなど長期的な視点で取り組むことが重要だといえるでしょう。

駐車場投資

メリット
・管理が容易
・初期費用が低い

デメリット
・収益性が低い
・需要が変動しやすい

駐車場投資は土地を駐車場として活用する投資方法です。ニーズの高い都市部や交通の便が良い場所であれば、安定した需要を期待できるでしょう。必要な初期投資額は比較的少なく、維持管理も簡単なため、土地投資の入門として始める人も少なくありません。

一口に駐車場投資といっても月極駐車場やコインパーキングなど運用方法がいくつかあるため、土地の特性に合わせて有効活用することが可能です。駐車場の形態によっては設置すべき設備が小規模で済むため、将来的に他の用途にも転用しやすく、比較的柔軟性の高い投資方法といえます。

コインランドリー投資

メリット
・需要が安定している

デメリット
・初期費用が高い
・機材管理コストがかかる

コインランドリー投資は、土地上にコインランドリーの店舗を建設して運営する投資方法です。業務用の洗濯機の金額は、約150万円・乾燥機は約60万円・洗濯乾燥機は約300万円(それぞれ1台あたりの価格、機種によって変動あり)など初期費用はかかるものの、基本的には24時間営業・無人営業が可能で、人口密集地域であれば安定した需要が期待できます。

近年ではコインランドリーの店舗が増加傾向にありますが、例えば女性専用とする・大型の毛布も洗濯できる機械を導入する・スニーカー洗浄機を設置する、清潔感のある店舗づくりをするなど、工夫次第で競合との差別化も可能です。

無人冷凍販売投資

メリット
・多様な商品展開が可能
・設置場所の自由度が高い

デメリット
・初期費用が高い
・盗難リスクがある

無人冷凍販売投資は、土地に無人の冷凍食品自動販売機を設置する投資方法です。24時間営業が可能で、人通りの多い場所であれば高い収益を期待できます。近年ではキャッシュレス決済用端末の普及や、汎用性の高い冷凍庫が販売されていることもあり、麺類やスイーツをはじめとして、多様な商品展開ができるようになりました。

ただし、無人とはいえ店舗を経営するという意味では変わりはないため、電気代や商品の仕入れ代などのランニングコストがかかる点と、競合店の出店や消費者ニーズの変化などに注意が必要です。また、無人であることから盗難のリスクは避けられないため、監視カメラを設置するなどの対策も求められます。

トランクルーム投資

メリット
・需要が増加中
・立地の自由度が高い

デメリット
・競争が激しい
・立地の選定が難しい<

トランクルーム投資は、土地にレンタル収納スペースを建設して運営する投資方法です。従来は郊外に大型のコンテナを設置する形態が主流でしたが、近年では都市部で生活している人向けの屋内型トランクスペースも人気を集めており、立地の自由度が高まっています。24時間利用可能な無人システムを導入すれば、人件費を削減しつつユーザーのニーズを広げることも可能です。

ただし、近年ではトランクルーム投資に注目が集まっており、競合施設の増加とそれに伴う利用者の減少リスクがあります。そのため、例えばセキュリティ対策や利便性の向上、温度・湿度を一定に保つ設備の導入など、付加価値を高める工夫も必要です。

太陽光発電投資

メリット
・補助金や税制優遇を受けられる場合がある
・環境に優しい

デメリット
・初期コストが高い
・収入が天候に依存する

太陽光発電投資は、土地に太陽光パネルを設置し、得られた電力を売却する投資方法です。再生可能エネルギーへの注目が高まるなか、土地投資の手法としても注目度を高めています。広大な土地の購入および太陽光パネルの設置と初期費用は比較的高額ではありますが、自治体によっては補助金や税制優遇を受けられることもあります。

太陽光発電投資は、長期的にみると安定した収益を期待できる一方、短期的にみると発電量が天候に大きく左右されることから、季節によって収入に大きなばらつきが生じる可能性があります。

土地投資のメリット

(画像:PIXTA)

ここからは、土地投資の主なメリットを3つ紹介します。具体的なメリットは土地の活用方法によっても異なるため、自分が検討している活用方法について掘り下げて情報収集することも重要です。

さまざまな活用方法がある

土地投資の大きなメリットは、投資家のニーズ・予算に合わせてさまざまな活用方法を選択できる点です。ここまでに紹介したように、駐車場やコインランドリー、トランクルームなど、比較的小さいスペース・投資額で始められるものから、アパート経営や太陽光発電など大規模な投資を行うものまで、幅広い選択肢があります。

また、将来的に土地の用途を変更することも可能です。例えば、最初は駐車場として運用し、後々アパートを建設するなど、土地周辺の状況に合わせて柔軟な戦略を立てることができます。

このように、土地投資は投資家の状況や目標にあわせて最適な活用方法を選択できる点が大きな魅力といえるでしょう。

初期費用・ランニングコストを抑えやすい

土地投資は、他の不動産投資と比較して初期費用やランニングコストを抑えやすい傾向にあります。例えば月極の駐車場投資の場合、土地の整備と区画線の設置程度で開業できるため、初期費用を比較的低く抑えることが可能です。

また、建物を伴わない投資であれば、建物の維持管理費や補修日などのランニングコストも大幅に削減できます。さらに、無人での運営が可能な投資方法を選択すれば、盗難などのリスク回避のために対策は必要であるものの人件費がかかりません。

これらの点から、土地投資は投資家の予算や運営能力にあわせて、コストを最適化しやすい投資方法といえます。ただし、固定資産税などの必要経費や自然災害リスクなどの完全な排除は不可能なので、適切な収支計画とリスクヘッジは必要となります。

ポートフォリオを分散できる

土地投資のなかでもさまざまな活用方法を組み合わせることで、分散効果を得られます。例えばコインランドリー投資と太陽光発電投資を組み合わせることで、短期的な収益と長期的な収益の両方を狙うなど、異なる収益構造をもつ投資を同時に行うのも一案です。

また、不動産は株式や債券などの金融商品とは異なる性質を持つ実物資産であるため価値がゼロになりにくく、ポートフォリオの安定性を高め、総合的なリスク管理をすることにもつながります。ただし、各投資の特性や市場動向を十分に理解し、バランスの取れた組み合わせを選択することが重要です。

土地投資がおすすめの人

ここからは土地投資をおすすめできる人の特徴について解説します。土地投資は株式や証券とは異なり、すぐに購入・売却できるものではありません。だからこそ長期的・複合的な視点をもって取り組むようにしましょう。

すでに土地を所有している人

相続などによってすでに土地を所有している人には、土地投資は非常におすすめです。一般的に、土地投資においてもっとも初期費用がかかるのが土地の取得であり、すでに土地を所有しているのであれば、その後の展開を低コストで始められるからです。

土地投資にはさまざまな形態があるため、所有している土地の状態や周辺状況に応じて適切なサービスを選ぶことが重要です。また、現在所有している土地での展開が難しい場合には、売却して資金を作り、別の土地を購入するという運用方法もあります。

安定した収入がある人

土地投資は安定した収入がある人におすすめの投資です。というのも、土地投資には一定の初期費用が必要であり、投資期間も比較的長期にわたることが多いため、資金調達の際に安定収入を求められることが多いからです。

また、投資額にもよりますが、土地投資による収入はあくまで副収入に留まることが多いことから、メインの収入源がある状態で投資を行うことで、リスクを軽減しつつ資産形成を行うことができます。ただし、収入が安定していても過度な借り入れには注意が必要です。

長期的な視点を持てる人

土地投資は長期的な視点を持てる人におすすめです。土地の価値は短期的には下がることもありますが立地によっては長期的に上昇傾向にあることも多く、土地投資から得られる収益も徐々に積み重なっていくものだからです。

そのため、数年から数十年という一定程度の長い期間で投資を考えている人にこそ土地投資は適しており、例えば若いうちから老後の資産形成を考えている人や、次世代への資産継承を考えている人にもおすすめです。

長期的な視点を持てば一時的な市場の変動に惑わされることもなく、冷静に土地の価値を判断できるため、投資に伴うリスクを分散しやすくなります。

資産分散を考えている人

土地投資は資産の分散を考えている人におすすめです。前述したとおり、土地は株式や債権とは異なる値動きをする実物資産であるため、ポートフォリオのバランスをとるのに適しており、リスク分散を考える上でも有効な選択肢となり得ます。

また、インフレヘッジとしての効果も期待できるため、将来の経済的な変動に備えたい人にも適しています。さらに、土地投資といってもさまざまな活用方法があるため、投資家の目的や予算に応じ、柔軟に運用が可能な点も魅力といえます。

土地投資の注意点

(画像:PIXTA)

ここからは、土地投資を行う際の注意点について解説します。土地投資には一定の初期投資が必要であり、少しでも失敗する可能性を下げるためにも、しっかりとリスクを管理することが重要です。

土地の活用方法を明確にする

これから土地を購入するという場合、土地投資を成功させるためにはあらかじめ購入する土地の活用方法を明確にしておくことが重要です。

例えばコインランドリー投資を行う場合には都市部や住宅地の土地が適しており、太陽光発電を行う場合には広大な土地が必要となるなど、活用方法に応じて求められる土地の立地条件・周辺環境・法規制などが変わってくるからです。

一方で、将来的な用途変更の可能性も考慮に入れ、柔軟性を持たせた計画を立てることも重要です。

明確な活用計画があれば、投資の収益性や将来性を具体的に予測することができて、より確実な投資判断も可能となるでしょう。

土地の利用制限を確認する

土地投資を行う際は、その土地にかかる利用制限を必ず確認しましょう。というのも、都市計画法や建築基準法などの法規制により、土地の用途や建物の規模などが制限されている可能性があるからです。

例えば、第一種低層住宅専用地域では建築物の高さに制限が設けられているため、立体駐車場などの大規模な設備を建築することはできません。また、農地法による制限がかかっている土地は、簡単に農業以外の利用を目的として転用することができません。

このような制限を事前に把握していないと、購入後に予定していた活用方法を実現できないという事態に陥る可能性があります。そのため土地の購入を検討する際には、必ず役所で用途地域や建蔽率、容積率などの情報を確認し、専門家のアドバイスも得ながら、実際に自分の目的にあった活用ができるか、法的な制限をクリアできるかどうかを慎重に判断することが重要です。

土地の将来性を検討する

土地投資を行う際は、その土地の将来性を十分に検討することが重要です。土地の価値は、周辺環境の変化や土地計画の影響を受けて大きく変動する可能性があるからです。

具体的には、新しい駅や商業施設の建築計画がある地域では、将来的に土地の価値が上昇する可能性が高く、一方で人口減少が進む地域では、長期的には土地の需要が低下する可能性が高いと推定できます。

このように、投資対象となる土地の周辺地域の開発計画や人口動態、経済指標などを詳細に調査し、将来的な価値の変動を予測することが重要です。また、地盤の強さや、河川・海からの距離など、自然災害のリスクも考慮し活用方法を検討する必要があります。

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情報提供元: manabu不動産投資
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