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目次

  1. 心理的瑕疵物件とは?
  2. 心理的瑕疵物件の可能性があるケース
  3. 心理的瑕疵の告知義務に関する判断基準(国交省ガイドラインより)
  4. 大家は知っておきたい告知義務の告知方法・告知内容・告知期間
  5. 心理的瑕疵物件に関する判例
  6. 心理的瑕疵物件になると大家にはどんな影響があるのか
  7. 心理的瑕疵物件になるのを防ぐために大家ができること
  8. 心理的瑕疵物件になってしまったらどうする?
  9. 心理的瑕疵物件に関するQ&A

本コラムでは、心理的瑕疵物件の概要や告知義務に関する国土交通省ガイドラインの内容、関連する判例について解説する。

心理的瑕疵物件とは?

心理的瑕疵物件とは、入居者が心理的な苦痛を感じる可能性がある物件のことだ。具体例として、自殺や孤独死といった人の死に関わる事案などが挙げられる。感じ方は人それぞれに異なるため、瑕疵内容を重要視するかは取引相手によって異なるだろう。ただし心理的瑕疵物件は、契約を締結するかの判断材料となるため、内容によっては入居希望者に告知が必要だ。

<Appendix>物件の瑕疵は他に3種類ある
不動産取引における主な瑕疵には、心理的瑕疵の他に3種類がある。

・物理的瑕疵:土地・建物に物理的な欠陥があること
・環境的瑕疵:物件の周辺環境に問題があること
・法律的瑕疵:法律や条例などにより物件の利用が制限されること

物理的瑕疵は、雨漏りやシロアリ、耐震不足のように物件自体に物理的な不具合があることを指す。環境的瑕疵は、周辺にごみ焼却場などの嫌悪施設があるケース、法律的瑕疵は建物が法律上の基準を満たしていないケースなどが該当する。

心理的瑕疵物件と精神的瑕疵物件の違いとは?

心理的瑕疵物件と似た言葉に「精神的瑕疵物件」がある。心理的瑕疵物件と同じく、精神的瑕疵物件も入居者が精神的(心理的)な苦痛を感じる可能性がある物件のことだ。

結論として両者に違いはない。心理的瑕疵物件について調べていると「精神的瑕疵物件」という言葉も出てくるため、違いがわからず混乱するかもしれない。しかしどちらも入居者に心理的・精神的な負担が生じやすい物件であり同じ意味として使われている。

心理的瑕疵物件の可能性があるケース

心理的瑕疵物件に該当する可能性がある主なケースは、以下の3つだ。

1.物件内で事件・事故死が発生した

代表的なのは、物件内の事件や事故で入居者が亡くなるケースだ。殺人や自殺などが発生した物件は、入居者の心理的な負担が大きいため、心理的瑕疵物件に該当する。

なお、警視庁の「令和4年区市町村別の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」によると、東京23区で殺人を含む凶悪犯罪の認知件数の多い区と少ない区は以下の通りだ。

<東京23区別凶悪犯罪数ランキングTOP5(2022年)>

順位凶悪犯罪数が少ない区順位凶悪犯罪数が多い区
区名件数区名件数
1位文京区81位新宿区60
目黒区82位江戸川区41
3位中央区113位豊島区34
4位千代田区124位渋谷区33
中野区125位足立区26
※凶悪犯とは殺人、強盗、放火、強姦
出典:警視庁「令和4年 区市町村別の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成

次に、自殺の件数を見てみる。厚生労働省の「人口動態調査2021年」によると、東京23区で自殺件数の多い区と少ない区は以下の通りである。

<東京23区別自殺件数ランキングTOP5(2021年)>

順位自殺が少ない区順位自殺が多い区
区名件数区名件数
1位千代田区131位世田谷区129
2位文京区252位大田区124
3位中央区263位練馬区120
港区264位足立区115
5位渋谷区345位江戸川区105

2.自然死・孤独死などで特殊清掃が行われた

自然死や孤独死の場合、発見までに時間がかかると汚れや臭いが付着したり害虫が発生したりすることも少なくない。通常の清掃では、原状回復が難しいため、専門業者による特殊清掃が行われる。特殊清掃が行われた物件は、基本的に心理的瑕疵物件となる。

なお、厚生労働省の「人口動態調査2021年」によると、東京23区で自然死(老衰)による死亡件数が多い区と少ない区は以下の通りである。

<東京23区別老衰件数ランキングTOP5(2021年)>

順位自然死が少ない区順位自然死が多い区
区名件数区名件数
1位千代田区411位世田谷区974
2位中央区1292位練馬区747
3位台東区1813位足立区725
4位文京区2054位大田区714
渋谷区2055位江戸川区608

3.周辺に墓地や刑務所などの「嫌悪施設」がある

嫌悪施設とは、反社会的勢力の事務所や墓地、刑務所など、その存在が周囲から嫌われる施設のことである。嫌悪施設が近隣にある場合は、建物自体に欠陥があるわけではなく取引相手の主観に左右される面もあるが、安心して生活したいと考える人が多いことから、心理的瑕疵物件に該当する可能性がある。

なお、公益財団法人特別区協議会の「特別区の統計2022年(令和4年)版」によると、東京23区で墓地の数が多い区と少ない区は以下の通りである。

<東京23区別墓地の数ランキングTOP5(2022年)>

順位墓地が少ない区順位墓地が多い区
区名区名
1位千代田区11位台東区279
2位中央区42位港区202
3位目黒区283位世田谷区167
4位渋谷区284位足立区139
5位中野区415位品川区132

心理的瑕疵の告知義務に関する判断基準(国交省ガイドラインより)

国土交通省は、2021年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」※この先は外部サイトに遷移します。を策定した。本ガイドラインは、対象不動産で人の死が生じた場合に宅建業者が負うべき義務の解釈について一般的に妥当と考えられるものを整理してとりまとめたものだ。所有物件が心理的瑕疵物件に該当し告知義務があるかを判断する際の基準として活用できる。

ここでは、本ガイドラインのポイントを解説していく。

告知についての原則

原則、人の死に関する事案が取引相手の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は、告知しなくてはならない。ただし、原則だけで告知すべきかを判断するのは難しいだろう。本ガイドラインでは、告知しなくてよい場合と必要な場合の判断基準も示されている。

<告知しなくてもよい場合>
本ガイドラインでは、告知しなくてもよい場合として以下の3つが示されている。

1対象不動産で発生した自然死、日常生活の中での不慮の死
2対象不動産・集合住宅の共用部分(日常生活で通常使用する部分)で1以外の死、特殊清掃などが行われた1の死が発生し、事案発生からおおむね3年が経過した後
3対象不動産の隣接住戸・集合住宅の共用部分(日常生活で通常使用しない部分)で発生した1以外の死、特殊清掃などが行われた1の死

自然死や転倒事故などの不慮の死については、告知不要だ。また特殊清掃が行われても事案発生から3年程度が経過すれば告知しなくてもよいとされている。

<告知する必要がある場合>
上記の「告知しなくてもよい場合」に該当しても社会に与えた影響が特に高い事案は、告知しなくてはならない。また取引相手の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合、借主から問われた場合も告知が必要だ。告知の際は、事案の発生時期や発覚時期、場所、死因、特殊清掃が行われたことなどを伝える。

取引相手の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる具体例は、以下の通りだ。

・他殺
・自殺
・事故死(日常生活における不慮の事故といえないもの)
・その他原因が不明な死
・自然死や不慮の事故でも特殊清掃が行われた場合

告知についての留意事項

告知する場合は、亡くなった方や遺族の名誉・生活の平穏に十分配慮しなくてはならない。そのため、以下のような情報は告げる必要はない。

氏名
年齢
住所
家族構成
具体的な死の態様
発見状況など

またトラブル防止の観点から取引相手の意向を事前に把握することも必要だ。心理的瑕疵の存在を重要視している場合は、特に慎重に対応するよう要請している。

参照:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」※この先は外部サイトに遷移します。

大家は知っておきたい告知義務の告知方法・告知内容・告知期間

<告知方法>
広告に「告知事項あり」と記入したり、重要事項説明書や告知書(物件状況報告書)に心理的瑕疵の内容を記載し取引相手に告知する必要がある。

・重要事項説明書:宅地建物取引士が物件の重要事項を説明する際に交付する書面
・告知書:貸主にしかわからない事柄を記入して取引相手に説明する書面

心理的瑕疵の具体的な告知方法に決まりはない。ただし無用なトラブルを避けるためにも重要事項説明書などに記載したうえで契約前に対面で説明しておくのが望ましいだろう。

<告知内容>
心理的瑕疵については、事案について以下の内容を取引相手に告知する必要がある。

・発生時期(特殊清掃が行われた場合は発覚時期)
・発生場所
・死因
・特殊清掃実施の有無

ただし、亡くなった方や遺族の名誉、生活などには丁寧な配慮が必要だ。不当に侵害することがないように氏名や年齢、住所、家族構成、具体的な死の態様、発見状況などの告知は不要とされている。

<告知期間>
国交省のガイドラインによると賃貸物件の場合、告知期間は事案発生から3年程度とされている。ただし死の発覚からの経過期間や死因に関わらず、取引相手から事案の有無について問われた場合は告知することが必要だ。また事案発生から3年経過後であっても取引相手の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告知しなくてはならない。

事案発生からの期間にかかわらず、状況に応じて柔軟に判断することが大切だ。

<告知義務の義務者>
賃貸物件の場合、心理的瑕疵の告知義務は大家にある。賃貸管理のほとんどを不動産会社に任せている場合でも心理的瑕疵トラブルの最終的な責任を負うのは大家となるため、注意が必要だ。

また媒介や代理を行う宅地建物取引業者は、宅地建物取引法において取引相手の判断に影響を及ぼすものについて告知することが義務付けられている。そのため入居者募集を依頼された物件について心理的瑕疵に該当する事案の存在を知っている場合は、取引相手にその事実を告げることが必要だ。

心理的瑕疵物件に関する判例

賃貸物件において心理的瑕疵の告知の必要性を判断するには、判例を参照するのが有効だ。ここでは、一般財団法人不動産適正取引推進機構が公表している「心理的瑕疵の有無・告知義務に関する裁判例について」から心理的瑕疵物件に関する判例を紹介する。

1.自殺事故があった部屋の告知義務に関する判例
京都市のワンルーム物件で借主の自殺事故があり、貸主が借主の相続人に対して訴訟を起こした事案だ。そもそも善管注意義務の内容についての訴訟だったが、判例では「事故後、最初の入居者には告知義務がある」と告知義務についても判断された。また、同入居者が通常の賃貸期間を経過後に退去した場合に関して「新たな入居者が賃貸する際に本事案の告知義務があるとは解せない」とも述べている。(大阪高裁:2018年6月19日)

東京都のワンルーム物件で借主の自殺事故があった事案においても同様に、事故後最初の入居者には告知義務があると判断された。また、新たな入居者については「ごく短期間の退去など特段の事情がない限り告知義務はない」としている。(東京地裁:2007年8月10日)

2.自殺事故があった部屋の隣室や他の部屋の告知義務に関する判例
上記で示した京都市のワンルームにおける借主の自殺事故では、他の部屋の賃借希望者に対して本事案の告知義務があると解すべき理由はないとしている。居室内に限らず、バルコニーでの自殺行為については、仙台市のファミリータイプ物件での事案がある。同居人が居室のバルコニーで自殺し、その3年後に借主が退去した事案についても「事故があった部屋以外の部屋の賃貸借契約においては事故の告知義務はない」と判断された。バルコニーは、災害時を除いて居住者以外の人が立ち入ることができない場所であり、独立性の高いマンションで発生した事故であることを理由としている。(仙台地裁:2015年9月24日)

3.下の階での自然死の告知義務に関する判例
東京都のアパートで下の階の部屋で自然死があった事実を貸主と媒介業者が説明しなかったことを理由に借主が引っ越し費用などを請求した事案では「告知義務はなかった」と判断された。「下の階の部屋で半年以上前に自然死があったことは、社会通念上、心理的瑕疵に該当するものではない」としている。(東京地裁:2006年12月6日)

4.心理的瑕疵を否定した判例
契約の約1年前にビル屋上からの飛び降り自殺があったことを知り、その事実を告知しなかった貸主と媒介業者に対して1、2階店舗の借主が約2,000万円の損賠賠償を請求した事案だ。判例では「貸主と媒介業者に告知義務違反はない」と判断された。理由としては「建物部分で発生した事故ではなく契約の1年半前のことであったため、心理的瑕疵には該当しない」としている。(東京地裁:2006年4月7日)

5.心理的瑕疵が認められた判例
事務所ビルの貸主が「借主従業員の事務室バルコニーからの転落死亡事故は自殺によるもので建物の価値が減少した」と主張し、事故の8ヵ月後に退去した借主へ3,400万円の賠償を求めた事案。本事案は、事故が自殺であることが認定されている。判例では、貸主に一定期間建物賃貸ができなかった損害があるとして「賃料10ヵ月分(約580万円)の賠償義務がある」とした。

ただし「貸主が主張した建物価値の減少は認められない」として棄却された。(東京地裁:2015年11月26日)

心理的瑕疵物件になると大家にはどんな影響があるのか

所有中の物件が心理的瑕疵物件になった場合は、大家に以下のような影響を及ぼすことが考えられる。

・告知しないと契約不適合責任を問われる可能性がある
契約不適合責任とは、契約内容に適合しない場合に売主が負う責任のことだ。基本的には、売買契約で適用されるが不動産取引では賃貸借契約においても準用される。心理的瑕疵物件であることを告知しないと入居者から契約不適合責任を問われ損害賠償や家賃の減額などを請求される可能性があるため、注意が必要だ。

・空室リスクが高まる
心理的瑕疵物件は、空室リスクが高まる可能性がある点もデメリットだ。心理的瑕疵物件に住みたいと考える人は少ないため、入居者を見つけるのは容易ではない。空室が続けば家賃収入が入ってこないため、ローン返済などに影響を及ぼす可能性がある。

・家賃低下による収益性が低下する
心理的瑕疵物件の場合は、家賃を下げれば入居者が見つけやすくなるかもしれない。しかし安易に家賃を下げてしまうと不動産投資の収益性が低下し家賃の水準によってはほとんど利益が出ず赤字になることもあるだろう。

・買い手を見つけるのが難しくなる
所有物件が心理的瑕疵物件になってしまった場合、売却を検討する大家もいるだろう。しかし心理的瑕疵のある物件は、買い手を見つけるのが難しくなる。たとえ見つかったとしても相場よりも売買価格を安くする必要があるだろう。

また、物件に心理的瑕疵の痕跡をできるだけ残さないために、原状回復やリフォームなどの大規模な工事を行わなくてはならないケースもある。まとまった費用がかかり、通常よりも安い価格で売却することになれば、経済的に大きな負担が生じることになりかねない。

心理的瑕疵物件になるのを防ぐために大家ができること

所有物件で自殺や孤独死などが発生すると安定的に収益を得るのが難しくなる。そのため不動産投資に取り組む場合は、心理的瑕疵物件になるのを防ぐことが重要だ。不動産投資では、以下2つを意識する必要がある。

1.物件購入前に心理的瑕疵の有無を確認する
告知義務がある場合は、基本的に売主や宅建業者から瑕疵の内容を伝えられる。しかし事案発生から一定期間が経過した後など買主が質問しないと心理的瑕疵の有無を把握できない場合も少なくない。そのため賃貸不動産を購入する際は、契約前に自ら心理的瑕疵の有無を確認することも重要だ。

2.入居者と定期的にコミュニケーションをとる
所有中の物件については、定期的に入居者とコミュニケーションをとることが大切だ。定期的に顔を合わせることで入居者の生活や健康状況が目視できるため、自然死や孤独死の防止が期待できる。物件の資産価値低下を防ぐためにも入居者の状況に気を配るようにしよう。

心理的瑕疵物件になってしまったらどうする?

万が一所有中の物件が心理的瑕疵物件になってしまった場合は、入居希望者に対して正直にその旨を告知することが大切だ。契約後に心理的瑕疵が判明すれば入居者から契約不適合責任を問われる恐れがある。また心理的瑕疵物件は、空室リスクが高まるため、「家賃を下げて入居者募集をする」「売却できるかどうかを探る」といった対策を検討しよう。

心理的瑕疵物件は、入居者が心理的な負担を感じるため、空室リスクが高まり収益性が低下する恐れがある。所有物件が心理的瑕疵物件となるのを防ぐには、購入時に心理的瑕疵の有無を自ら確認したうえで入居者の状況に気を配ることが大切だ。万が一心理的瑕疵物件となってしまった場合は、国交省ガイドラインを参考に告知義務があるかを判断したい。

心理的瑕疵物件を売却するには?

心理的瑕疵物件は、通常の物件に比べると売却が容易ではない。そのため事故物件の買取を専門にしている業者へ依頼することも選択肢の一つだ。事故物件専門の買取業者であれば、心理的瑕疵物件を直接買取してもらえる可能性がある。

またスムーズに売却するには、信頼できる業者を選ぶことが重要だ。以下の項目をチェックするといいだろう。

・相談件数や買取件数などの実績を確認
・インターネット上の口コミも確認
・査定価格の根拠を明確に示してくれるか
・売却後に発覚した瑕疵について売主に責任が生じないか

まずは、相談件数や買取件数などの実績を丁寧に確認したい。豊富な経験と実績があれば安心して買取を依頼できる。念のためインターネットの口コミなども確認し、悪い評判が多くないかについてチェックしておくといいだろう。査定価格については、その価格の根拠を明確に示してくれるかがポイントとなる。十分な説明をしてくれない業者は避けたほうが無難だ。また契約不適合責任が免責となり、売却後に発覚した瑕疵について売主に責任が生じないことも確認しておこう。

心理的瑕疵物件に関するQ&A

Q1.心理的瑕疵物件とは?
心理的瑕疵物件とは、入居者が心理的な苦痛を感じる可能性がある物件のことだ。具体例としては、対象物件での自殺や孤独死といった人の死に関わる事案などがある。賃貸物件において心理的瑕疵の有無は、契約を締結するかどうかの判断材料の一つだ。そのため心理的瑕疵の内容によっては、取引相手に告知しなくてはならない。

物件内での事故死や自然死で特殊清掃が行われた場合などは、心理的瑕疵物件に該当する可能性がある。告知義務を怠ると借主から損害賠償を請求される可能性があるため、十分に注意しておきたい。

Q2.どういったケースで告知が必要?
原則、人の死に関する事案が取引相手の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は、告知が必要だ。具体例としては以下の5つが考えられる。

  • 他殺
  • 自殺
  • 事故死(日常生活における不慮の事故といえないもの)
  • その他原因が不明な死
  • 自然死・不慮の事故で特殊清掃が行われた場合

基本的に自然死や不慮の事故については告知不要で特殊清掃が行われた場合でも事案発生から3年程度が経過すれば告知しなくてもよいとされている。

Q3.心理的瑕疵物件になると大家にはどういったデメリットがある?
心理的瑕疵のある物件に住みたい人は少ないため、空室リスクが高まり物件の収益性が下がる可能性があることもデメリットだ。また心理的瑕疵物件は、買い手を見つけるのが難しい点も見逃せない。

仮に買い手が見つかったとしても相場より安い価格での売却を余儀なくされることも考えられるため、大きな損失が生じかねない点はデメリットだ。

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情報提供元: manabu不動産投資
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