18日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比20.04ポイント(0.08%)高の25367.38ポイントと続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が39.52ポイント(0.38%)高の10425.42ポイントと6日続伸した。売買代金は1268億8300万香港ドルとなっている(17日は1287億5700万香港ドル)。(亜州リサーチ編集部)

世界的な金利低下傾向が好感される流れ。中国の国務院(内閣に相当)は17日、大規模な景気刺激策には依存しないとしたうえで、貸出金利を低水準に誘導する方針を表明した。潤沢な流動性を維持する構えという。中国人民銀行(中央銀行)が20日に公表する事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、低金利が継続すると見込まれている。また、米国では10年債利回りが先週末に上昇一服し、昨夜はさらに低下した。

ただ、米中対立の警戒感がくすぶるなかで上値は重い。米商務省は17日、通信設備メーカー中国最大手の華為技術(ファーウェイ)に対する半導体輸出規制をさらに強化すると発表している。ハンセン指数は前日の終値を挟み、一進一退した。

ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が11.1%高、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.5%高、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が3.3%高と上げが目立った。中国聯通に関しては、第5世代(5G)移動通信サービスの進展が支援材料。同社が中国電信(チャイナ・テレコム:728/HK)と共同で建設する5G基地局は、年内に設置数が大幅拡大する見通しだ。中国電信も3.7%値上がりしている。同社が18日昼に公表した中間決算では、利益横ばいだったものの、通信サービス収入の安定成長が確認された。

セクター別では、医薬品が高い。上記した石薬集団のほか、薬明生物技術(2269/HK)が4.0%、金斯瑞生物科技(1548/HK)が2.8%、中国生物製薬(1177/HK)が2.3%、翰森製薬集団(3692/HK)が2.1%ずつ上昇した。バイオ医薬開発受託の薬明生物技術に関しては、中間決算の6割増益が材料視されている。

他の個別株動向では、ハンセン科技指数の構成銘柄でEC中国大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が9.5%高。同社の中間業績は利益が2.2倍、足元の4~6月期は27倍に拡大した。コロナ禍を背景に、日用品などのオンライン通販が大幅に伸びている。科技指数銘柄の「在宅」関連に買いが波及し、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が7.7%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が3.8%高、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が1.5%高と値を上げた。ハンセン科技指数は1.7%高と他の指数をアウトパフォームしている。

半面、空運・海運セクターはさえない。中国国際航空(753/HK)が1.9%安、中国南方航空(1055/HK)が1.6%安、中国東方航空(670/HK)が1.3%安、中遠海運HD(1919/HK)が2.8%安、太平洋航運集団(2343/HK)が2.4%安で引けた。

そのほか、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が9.4%安と急落。昨日引け後に公表した中間決算は2割増益を達成したものの、予想に届かず失望売りが広がっている。舜宇光学同様、スマートフォン向け部材を製造する丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)と瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)もそれぞれ5.9%安、2.5%安と値を下げた。

一方、本土市場は4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.36%高の3451.09ポイントで取引を終えた。消費関連株が高い。医薬品株、自動車株、インフラ関連株、産金株、非鉄株なども買われた。半面、金融株の一角は安い。半導体関連株、空運株、公益株、不動産株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 18日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で続伸、中国聯通11.1%上昇