19日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比412.71ポイント(1.55%)高の27093.80ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も140.00ポイント(1.33%)高の10696.56ポイントと続伸した。売買代金は799億600万香港ドルにやや拡大している(18日は704億5000万香港ドル)。

中国の金融緩和期待が強まる流れ。中国人民銀行(中央銀行)が18日に実施したリバースレポ取引では、4年以上ぶりに金利が引き下げられた。人民銀はあす20日、実質的な政策金利の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表する。LPR金利も再び引き下げられるとの思惑が広がった。

香港情勢を巡る警戒感もやや後退。警官隊と反政府派が対峙している香港理工大学では、学校長らの説得により、立てこもった学生のうち300人以上(うち200人あまりが18歳未満)が19日朝方までに外に出たもようだ(メディア報道によれば、その後も投降は続いている)。また、15~19日まで休校だった小中高は、あす20日に再開される。繁華街での衝突は続いているものの、政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が「平和的な解決を望む」と発言するなど、最悪期は脱したとの見方も広がった。もっとも、抗議行動は完全に収束したわけではなく、不透明感は依然としてくすぶっている。

ハンセン指数の構成銘柄では、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が6.1%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.1%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が4.9%高、米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)が4.5%高と上げが目立った。米アップルが主要取引先の瑞声科技については、アップル「iPhone11」の中国販売好調が支援材料。舜宇光学科技も一部部品をアップルに供給している。中国旺旺に関しては、昼に公表した中間決算の増益が好感された。時価総額上位の金融株や香港系の不動産株も買われている。

業種別では、香港の小売関連がしっかり。香港SOGO運営会社の利福国際集団(1212/HK)が4.1%高、化粧品販売店をチェーンの莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が3.8%高、アパレルグループのI.T(999/HK)が2.0%高で引けた。

中国不動産セクターも高い。雅居楽集団(3383/HK)が3.3%、融創中国HD(1918/HK)が2.6%、華潤置地(1109/HK)と広州富力地産(2777/HK)がそろって2.5%、万科企業(2202/HK)が2.1%ずつ値を上げた。

5Gネットワークや半導体関連の銘柄群も物色される。長飛光繊光纜(6869/HK)が4.7%高、中国通信服務(552/HK)が2.1%高、中国鉄塔(788/HK)と中興通訊(ZTE:763/HK)がそろって1.8%高、京信通信系統HD(2342/HK)が1.6%高、華虹半導体(1347/HK)が3.9%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が1.6%高と上昇した。工業情報化部の直属機関、中国信息通信研究院は18日、10月の5G端末出荷台数が前月比で5倍に急増したと報告している。

本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.85%高の2933.99ポイントで取引を終えた。ITハイテク関連株が高い。不動産株、素材株、医薬品株、消費関連株、発電株、銀行・証券株なども買われた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 19日の香港市場概況:ハンセン1.6%高で3日続伸、瑞声科技6.1%上昇