休場明け14日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比428.22ポイント(1.50%)安の28122.02ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が167.03ポイント(1.53%)安の10764.02ポイントとそろって反落した。売買代金は1245億3700万香港ドルとなっている(10日は1250億3400万香港ドル)。

米中貿易戦争の警戒感が強まるなか、投資家心理が悪化する流れ。米国による制裁関税「第3弾」発動を受け、中国国務院は13日、昨年9月に追加関税の対象とした600億米ドル(約6兆5600億円)分の米国製品について、関税率を引き上げると発表した。これに対し、米政権は13日、「携帯電話など約3000億米ドル分の中国製品に、最大で25%の関税を課す」とした制裁関税「第4弾」の実施を正式に表明している。

ハンセン指数の構成銘柄では、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が5.2%安、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が5.0%安、万洲国際(WHグループ:288/HK)が4.0%安、申洲国際集団HD(2313/HK)が3.9%安、恒安国際集団(1044/HK)が3.7%安、創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が3.6%安と下げが目立った。ブタ肉生産で世界トップの万洲国際と中国ニット衣料最大手の申洲国際集団、電動工具メーカー大手の創科実業は米国での売り上げ比率が大きいだけに、米中対立による業績悪化が懸念されている。紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団については、人民元安による輸入原料コスト高が危惧された。上海外国為替市場では、人民元安が進み、足元では約5カ月ぶりの元安水準で推移している。

業種別では、中国の金融が安い。海通証券(6837/HK)が4.6%、華泰証券(6886/HK)が4.1%、新華人寿保険(1336/HK)が2.7%、中国建設銀行(939/HK)が2.2%ずつ下落した。

空運・海運セクターも売られる。中国国際航空(753/HK)が7.1%安、中国南方航空(1055/HK)が6.1%安、中国東方航空(670/HK)が5.8%安、中遠海運HD(1919/HK)が5.3%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.1%安で引けた。

不動産セクターもさえない。雅居楽集団HD(3383/HK)が3.1%安、広州富力地産(2777/HK)が3.0%安、碧桂園HD(2007/HK)が2.4%安、中国金茂HD(817/HK)と保利置業集団(119/HK)がそろって2.3%安と値を下げた。

本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.69%安の2883.61ポイントで取引を終えた。運輸関連株が安い。消費関連株、インフラ関連株、ハイテク株、自動車株、不動産株なども売られている。半面、金融株の一角はしっかり。軍需関連株、メディア関連株も物色された。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 14日の香港市場概況::ハンセン1.5%安で反落、米中貿易戦争に警戒感