14日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比429.56ポイント(1.62%)安の26094.79ポイントと4日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が197.42ポイント(1.87%)安の10359.43ポイントと3日ぶりにそれぞれ反落した。売買代金は669億7100万香港ドルと低水準が続いている(13日は793億1000万香港ドル)。

米中通商協議の先行き不安が再燃する流れ。中国による大豆輸入再開、車報復関税撤廃の可能性が伝えられるなど、通商問題の緩和に絡んだ動きは続いたものの、「これだけでは貿易戦争は解決しない」との見方が広がった。ロス米商務長官は13日、「中国はこれまでに約束したこと以上の行動をとる必要がある」と発言している。中国景気の減速懸念も強まる状況。取引時間中に公表された11月の中国経済統計では、小売売上高の伸びが事前予想に反して前月実績から低下し、鉱工業生産の増加率も下振れた。

ハンセン指数の構成銘柄では、米中関係の動向に左右されやすい銘柄群が安い。ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が6.2%、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.0%、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(2018/HK)が4.9%ずつ値を下げた。万洲国際は米国の売上比率が50%を超え、瑞声科技と舜宇光学科技は米アップルに部品を供給している。このほか、時価総額上位の金融株も軟調だった。

業種別では、医薬の下げが目立つ。石薬集団(1093/HK)が12.0%安、中国神威薬業集団(2877/HK)が7.6%安、中国生物製薬(1177/HK)が4.8%安、広州白雲山医薬集団(874/HK)が4.0%安で引けた。中央政府主導の医薬品「集中調達」制度による入札結果が今月6日に公表され、一部薬品が現行の9割低い価格で落札されたことが改めて売り材料視されている。これについて石薬集団は「目先の業績への影響は軽微」との見解を示していたが、投資家の見方は厳しい。石薬集団株は約1年半ぶりの安値水準に沈んだ。

キャリアや設備・工事などの通信関連セクターもさえない。中国移動(941/HK)が3.2%安、中国聯通(762/HK)が1.8%安、中国電信(728/HK)が1.5%安、中国通信服務(552/HK)が5.0%安、中興通訊(ZTE:763/HK)が4.4%安、京信通信系統HD(2342/HK)が3.8%安と売られた。

本土市場は4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.53%安の2593.74ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導する。小売や食品・飲料、家電、自動車など消費関連株も急落した。不動産株、医薬株、インフラ関連株、運輸株なども値下がりしている。
【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 14日の香港市場概況:ハンセン1.6%安で4日ぶり反落、石薬集団が12%下落