(2) 各事業の拡大・効率化の推進 a) 成長領域 エネルギー事業では、M&Aやサービスエリアを広げることで顧客基盤を拡大し、持続的な成長を図る方針だ。また、収益性を維持向上すべくDXによる業務効率化なども推進している。DX戦略として、自動検針メーターの導入を進めており、2026年3月末までに100%達成を目指す(2024年3月末設置率70%)。検針業務のコスト削減だけでなく、リアルタイムに顧客の消費量を把握することで、最適なタイミングでの配送が可能となり物流の効率化が進む。また、顧客接点の強化施策としてTLC会員に対するスマホアプリの導入を推進している。スマホアプリを活用することで、最適なタイミングで顧客に対して各種情報を発信することが可能となり、解約率の低減やクロスセル率向上といった効果が期待される。2024年3月末でTLC会員1,214千人のうち375千人がアプリを導入しており、2026年3月末までに1,000千人の導入を目指す。
b) 期待領域 再エネ他GX関連事業においては、太陽光発電(PPA含む)や蓄電池システムの普及促進に取り組んでいるほか、創エネ事業を手掛ける企業への出資も行いながら、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指している。出資実績として、2023年にTOKAIがフィリピンの水力発電事業会社であるREPOWER ENERGY DEVELOPMENT CORPORATIONの株式を取得、2024年2月に持分法適用関連会社化(出資比率20%)した。また、2023年12月に(株)TOKAIベンチャーキャピタル&インキュベーション(以下、TVC&I)が、発電用の浮体式垂直軸型洋上風車※の開発に取り組む(株)アルバトロス・テクノロジーに出資した。アルバトロスへの出資は、グループとしてGX領域における情報取集・知見の集積を目的としたものとなる。なお、TVC&Iについては2025年3月期に解散しており、VC事業は同社内に新設したスタートアップ推進部で継続している。
a) 環境(Environment) 2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、顧客のエネルギー利用並びに自らの事業活動におけるGXを推進する。顧客向けについては、省エネガス機器の普及促進やカーボンオフセットガスの販売、再生可能エネルギーの導入促進、地域と一体となった低・脱炭素化の推進、原料の脱炭素化に取り組んでいる。また、自らの事業活動においてはDXによるLPガス事業の配送効率化や自動検針化、太陽光発電システムの設置や事業所で使用する電気の再エネルギー化を推進している。
b) 社会(Society) 人的資本の強化施策として、人財・組織の活力最大化、従業員のウェルビーイング向上に取り組んでいる。「理想の個」の実現に向けて、自律キャリア支援制度やリスキリング支援制度などを整備したほか、「理想の組織」の実現に向けて、多様な働き方の実現、働きがいを高める人事制度の改定、トップレベルの健康経営の実践、管理職への心理的安全性研修、コーチング研修などに取り組んでいる。
c) ガバナンス(Governance) コンプライアンス・ガバナンスの強化を図るべく、役員・管理職の研修の徹底や組織のさらなるコンプライアンス意識の向上に向けた取り組みを推進している。