2020年には視聴者の操作により上映中の映像のストーリー分岐などを行えるインタラクティブ機能を追加したタイプ、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で向き合うことになったニューノーマル社会においても利用できるよう、少人数向けに小型化し換気性能を強化したタイプをそれぞれ販売開始した。2020年12月には有明ガーデンクリスマスのイベント、2021年2月にはKBC(九州朝日放送)の全国ネット特別番組「羽鳥×指原 みんなの夢アワード まとめてかなえちゃう!SP」にて使用されるなど、コロナ禍という極度の逆風下でも、同製品が提供するサービスの魅力をフックに、関心を集めていた。その他、MetaWalkersにおいて上映するコンテンツ制作も行っており、例えば有名IPを用いたコンテンツとしては、2017年3月の「ウルトラマンゼロ Another Battle ~光と力~」を皮切りに、「頭文字D project VR -疾駆-」、「新幹線変形ロボ シンカリオン360°ザ・ムービー」を手掛けている。同社の代表取締役社長である冨田氏がアニメ・漫画コンテンツに対して広く知見を有していることも、事業展開にはポジティブに作用するだろう。
MetaWalkersについては、もともと遊園地を中心としたアトラクション需要がメインだったものの、博物館や科学館での利用を皮切りに、可能性が拡大している。地方創生のツール、介護医療及びスポーツ分野への活用、防災・工場見学をはじめとした様々な用途に対応するシミュレーターとしての利用も検討されるなど、引き合いが拡がりつつあったタイミングでコロナ禍が直撃してしまった。そのため、これまでの軌跡や足元の状況というよりも、アフターコロナでの需要の具体化が同事業の焦点となっている。既に、一面にネモフィラが広がる光景で全国的に知られている国営ひたち海浜公園のプレジャーガーデンで新アトラクション「ハムスタンの4D・シアター」として活用されるほか、2024年3月には「超体験NHKフェス 2024 in SHIBUYA」で大河ドラマの制作現場を再現した空間を演出するなど、足元で引き合いが回復してきている。