*11:33JST ビジョナル Research Memo(3):日本の労働市場に変革をもたらした「BizReach」(1) ■ビジョナル<4194>の事業内容

1. HR Techセグメント
HR Techセグメントは「BizReach」、「HRMOS」及びその他のHR Techサービスで構成されている。

(1) BizReach
BizReachは、ビジネスプロフェッショナル、国内外の優良・成長企業、各業界に精通したヘッドハンター(人材紹介会社に所属する転職エージェント)の三者を、効率的にマッチングするプロフェッショナル人材(管理職・専門職等)に特化した会員制転職プラットフォームを提供している。

a) 転職(採用)市場に変革を起こしたBizReach
「BizReach」は、従来の終身雇用制度や新卒一括採用が主流であり、多くの企業がプロフェッショナル人材の採用を人材紹介会社やヘッドハンターに一任していた日本の労働市場に変革をもたらした。企業が必要な人材を主体的に採用する「ダイレクトリクルーティング」の概念を導入し、採用活動に取り組む企業とヘッドハンターに人材データベースを開放することによって、日本のプロフェッショナル人材の転職市場を可視化し、企業が求職者に直接アプローチできる環境を提供し、採用コストの削減と迅速な人材確保を可能にしている。また、求職者にとっても新たなキャリアの選択肢が広がり、より多くの機会が提供される。

b) BizReachの強み
1) 強固な収益基盤
BizReachのビジネスモデルは、直接採用企業、ヘッドハンター、求職者の三者に対する課金構造を持ち、安定した収益基盤となっており、従来の転職(採用)市場に新しい価値を提供し続けている。BizReachを利用することで、直接採用企業及びヘッドハンターは、BizReachの人材データベースへアクセスができ、求職者へ直接スカウトメールを送れるだけでなく、求人情報の掲載が可能となる。また、求職者も職務経歴書をBizReachの人材データベースに登録することで、企業やヘッドハンターから直接スカウトを受けることができる。

BizReachの売上高はプラットフォーム利用料(リカーリング売上高)と、成功報酬(パフォーマンス売上高)から構成されるため、景気が急激に減速する局面においても影響を受けにくい収益体制を有している。直接採用企業及びヘッドハンターで料金体系は異なっており、直接採用企業のプラットフォーム利用料※1は6ヶ月85万円、成功報酬は求職者の転職後理論年収※2の15%である。また、ヘッドハンターのプラットフォーム利用料は6ヶ月60万円、成功報酬は採用企業から得る紹介手数料の20%~30%である。

※1 税抜き、スタンダードプラン
※2 転職後理論年収=月額固定給×12ヵ月+賞与算定基準額×前年度実績賞与支給月数

BizReachはリカーリング売上高※1とパフォーマンス売上高※2を組み合わせた独自の売上高構造を有している。また、直接採用企業とヘッドハンターについてもバランスのよい売上高構成となっている。2024年7月期の売上高タイプ別構成比率は、パフォーマンス売上高66%、リカーリング売上高34%、直接採用企業とヘッドハンターの売上高構成比率は、直接採用企業69%、ヘッドハンター31%である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ビジョナル Research Memo(3):日本の労働市場に変革をもたらした「BizReach」(1)