*12:03JST 粧美堂 Research Memo(3):化粧品・化粧雑貨を中心とするパーソナルケア商品を販売 ■事業概要

1. 事業概要
粧美堂<7819>は、低価格で手軽におしゃれを楽しみたい若年層の女性をメインユーザー層として、化粧品・化粧雑貨(メイク関連用品、ヘアケア関連用品、トラベル用品、バス・エステ・健康関連グッズ等)を中心に、コンタクトレンズ関連(コンタクトレンズ、コンタクトレンズケア用品)、服飾雑貨(バッグ、ポーチ・ケース、サイフ類、キャラクター雑貨等)、その他(生活雑貨、文具、行楽用品、ギフト商品等)といった、自社ブランド及びOEMのパーソナルケア商品を幅広く取り扱い、これらの商品を全国の小売業者、卸売業者、一般消費者向けに販売している。なお、子会社のビューティードアは化粧品及び医薬部外品の受託製造、子会社のSHO-BI Laboはコンタクトレンズの受託製造、粧美堂日用品(上海)有限公司は中国でのキャラクター雑貨等の販売、壹見健康科技(上海)有限公司は中国でのコンタクトレンズEC販売等を展開している。

マーケティングから企画・デザイン・開発・販売・物流まで、一気通貫で対応可能な総合企画メーカーであることを特徴・強みとしている。マーケティング・商品企画・デザインの面では「DISNEY」「HELLO KITTY」「miffy」「ポケットモンスター」「CHIIKAWA」など、ライセンサー25社、許諾IP80以上という豊富なキャラクターライセンスを取得している。また販売面では、ディスカウントストアのドン・キホーテ、しまむら、西松屋、ドラッグストアのウエルシア薬局、スギ薬局、均一ショップのセリア、大創産業、バラエティストアのロフト、プラザ、総合スーパーのイオンなど、各小売業態のトップ企業との太いパイプを有している。


「選択と集中」及びOEMビジネス拡大で在庫リスクを低減
2. リスク要因、収益特性、課題及び対策
同社における主要なリスク要因としては、特定販売先への依存度、自社企画商品における人気変化への対応遅れや陳腐化、為替の仕入価格への影響などが挙げられる。

このうち特定販売先への依存度については、同社が重点販売先と位置付ける上位20社向け売上構成比は2022年9月期実績で71%まで上昇した。ただし、2022年9月期の全社売上高に占める割合が10%を超える主要販売先は、(株)PALTAC(主に大創産業向け)が11.2%、セリアが10.5%、しまむらが10.2%と分散されており、後述の成長戦略の項で解説するように、「選択と集中」による重点販売先戦略の成果として営業効率も飛躍的に向上していることも勘案すれば、特定販売先への依存度は特に差し迫った懸念材料とはならないと弊社では考えている。

自社企画商品やOEM商品の企画・開発については、充実したマーケティング・企画・デザイン体制と豊富なキャラクターライセンスにより、常に消費者ニーズを見据えた企画・開発を推進し、流行への対応遅れや商品陳腐化のリスク低減を図っている。

為替による仕入価格への影響については、2022年9月期の総仕入額における外貨建て比率は37.1%(うち米ドル建てが92.6%)となっている。為替変動対策としては、仕入価格上昇分の商品価格への転嫁、仕入先の見直し、実需の範囲内での為替予約などにより、為替変動リスクの低減を図っている。

なお同社独自の四半期別変動要因として、営業利益において年末・年始や入園・入学などのイベントのある第1四半期(10月~12月)及び第2四半期(1月~3月)の構成比が高く、第4四半期(7月~9月)は健全性を保つための在庫処分や決算賞与の支給などにより他の四半期に比べて大幅に減少する傾向がある。ただし、受注生産のため返品・在庫処分リスクがないOEMビジネスの拡大していくことで、今後は四半期業績の平準化が徐々に進むと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 粧美堂 Research Memo(3):化粧品・化粧雑貨を中心とするパーソナルケア商品を販売