a) 通信ソフトウェア開発 通信ソフトウェア開発分野では、高速性、安定性、信頼性が要求される無線通信システムや制御装置等の「通信基盤」分野の開発を主に行っている。具体的には、無線通信システム装置(5G/LTE)、コアネットワーク装置、公衆回線網装置、ネットワーク監視システムなどで、これらシステムの機能の一部を同社で受託開発している。通信インフラシステムの開発に関しては、機能ごとに受託開発先が決められており、高度な技術力だけでなく継続性に伴うノウハウの蓄積が重要となるため、同社にとって安定した受注先となっている。このほかにも、情報通信端末や通信アプリケーション分野の開発を行っている。主要顧客はNECグループや日立製作所<6501>グループなどが挙げられる。
b) 制御ソフトウェア開発 制御ソフトウェア開発分野では、自動車の制御に関わるECU関連やCASE関連などの車載システムのほか、半導体製造装置システムやOA機器などに組み込まれるソフトウェアの開発を行っている。主要顧客は、NECグループ(トヨタ自動車<7203>向け等)や東京エレクトロン<8035>グループ、リコー<7752>グループなど業界大手が多い。
c) 業務ソフトウェア開発 業務ソフトウェア開発分野では、企業向けシステム、生命保険会社向けシステム、公共向けシステム、流通関連システム、医療向けシステム、エネルギー関連システム、ECサイト構築などのWeb系支援システムのほか、顧客ニーズに対応した各種の業務支援ソリューションなど幅広く手掛けており、顧客も多岐にわたっている。
(2) サービス事業 サービス事業では、ソフトウェア開発事業で培った技術を基盤として、企業のネットワーク/サーバ構築や仮想化、クラウドの導入支援(AWS、Microsoft Azure)、保守・運用及び通信プロトコル等の評価検証を提供するSIサービスが売上の大半を占めている。また、オフィス電話ソリューション「Cyber Smartシリーズ」※1やクラウドVPNサービス※2「楽々セキュアコネクト」、高精度位置情報ソリューション「Cyber Position Navi Plus」など自社プロダクトの販売も行っている。2022年2月には、自社プロダクトだけでなく他社製品も合わせたワンストップソリューション「Cyber Solution Plus」シリーズの提供を開始した。第1弾としてテレワーク・リモートワークソリューション(30アイテム)の販売を開始しており、新たなソリューションの企画も進めている。
2022年3月に提供開始した屋内型の高精度位置情報ソリューション「Cyber Position Navi Plus」は、2020年に投入した「Cyber Position Navi」の位置情報高精度版で、スマートフォンとビーコン(近距離無線通信を利用した位置特定技術)を活用することで、誤差10~50cmの高精度で人やモノの動線を正確に把握し、これらのデータを収集・解析することで業務の効率化等を支援するクラウド型ソリューションサービスとなる。他社が提供する高精度な位置情報システムよりも安価にシステム構築が可能であるほか、工場や倉庫、店舗、オフィスなどあらゆる場所で利用可能な点が特長となる。工場や倉庫では作業員の動線解析を行うことで、人員配置や作業手順の最適化を図り生産性の向上を実現していく。また、店舗では来店客の動線解析を行うことで、商品配置を最適化し店舗売上高の拡大につなげるといった活用方法が考えられる。なお、要求精度がある程度許容できる顧客については、コストの安い「Cyber Position Navi」を提案する。