同社は1974年に米国のOverhead Door Corporation(1996年に買収。以下、ODC)と技術提携してガレージに使用するシャッターをオーバースライダー®として国内販売するなど、シャッターを中心に順調に業容を拡大した。1981年には現取締役会長の高山俊隆(たかやまとしたか)氏が代表取締役社長に就任し、事業を発展させて今日に至る経営体制の基礎を築いた。
同社はまた、国内市場の成熟を見据えて、早くから海外展開にも積極的に取り組んだ。1986年に香港に三和シヤッター(香港)有限公司を設立したのを皮切りに、欧米及びアジアで事業を拡大してきた。特に欧米では、2000年代以降、M&Aを重ねて急速に業容拡大を図った。米国では1996年に持株会社Sanwa USA Inc.を設立してODCを買収した。以後はODCが主体となってM&Aを進め、北米(米国及びカナダ)における事業を展開している。欧州では2003年にSanwa Shutter Europe Ltd.(現Novoferm Germany GmbH(ノボフェルム)以下、NF)を設立し、その後はNFグループとして欧州事業を展開し、米国同様、M&Aを重ねて、順調に業容拡大している。さらに、アジアは中国、香港、台湾、韓国、ベトナム、タイ、インドネシアを中心に展開し、日・米・欧・アの4極体制を整えてきた。現状では、収益の柱である日本を中心に、北米、欧州も収益貢献している。2020年3月期より新たに連結されたアジア事業も黒字化を果たし、今後は利益拡大が課題である。2019年には、(株)LIXIL鈴木シャッター(現(株)鈴木シャッター)を傘下に収め、国内の基盤を盤石なものにすると同時に、アジア事業の強化を目指している。また、2021年には、ODCが米国横引きスライド式ドアメーカー最大手のWon-Door社の全株式を取得するなど、着々と事業領域の拡大を図っている。