■会社概要

1. 沿革
三和ホールディングス<5929>は、現代表取締役会長兼CEOの高山俊隆(たかやまとしたか)氏の父、高山萬司(たかやままんじ)氏により、1956年に兵庫県尼崎市に設立された。1963年に(株)三和シヤッター製作所(1956年設立)、三和シヤッター(株)(1959年設立)、三和商事株式会社(1961年設立)の3社を吸収合併した。合併後は、三和シヤッター製作所の営業活動を全面的に承継し、社名を三和シヤッター工業株式会社に変更するとともに、本社を東京都新宿区に移転した。

同社は1974年に米国のOverhead Door Corporation(1996年に買収)と技術提携してオーバースライダー®(OSD)として国内販売をするなど、シャッターを中心に順調に業容を拡大した。1981年には現CEOの高山俊隆氏が代表取締役社長に就任し、今日に至る経営体制の基礎が出来上がった。

同社はシャッター事業の拡大を図る傍ら、ドア製品、エクステリア製品、ストアフロント、自動ドアエンジン、ステンレス製品などへと商品ラインアップの多様化にも取り組んだ。そその結果、現在では“動く建材”(ドア、シャッター関連の総称の意)の領域において、国内シェア第1位を占めるに至っている(詳細は後述)。この過程では、自社による進出に加えて、M&Aの手法も積極的に活用した。

同社はまた、国内市場の成熟を見据えて、早期から海外展開に積極的に取り組んだ。1986年にシンガポールに展開したのを皮切りに、欧米及びアジアで事業を拡大してきた。特に欧米では、2000年代以降、M&Aを重ねて急速に業容拡大を図った。

米国では1996年に持株会社Sanwa USA Inc.を設立してOverhead Door Corporation(ODC、現連結子会社)を買収した。以後はODCが主体となってM&Aを進め、北米(米国及びカナダ)における事業を展開している。

欧州は2003年にSanwa Shutter Europe Ltd.(現Novoferm Europe Ltd.)を設立し、Novoferm GmbH他9社を買収した。その後はNovoferm(ノボフェルム)グループとして欧州事業を展開し、米国同様、M&Aを重ねており、順調に業容拡大している。

アジアは中国、韓国、台湾、ベトナム、香港、タイ、インドネシアに、持分法適用会社及びその他関係会社を8社(2019年3月現在)展開している。

海外事業の中で、ODCグループとNovofermグループはともに収益の柱に成長し、2018年3月期の両グループの営業利益はそれぞれ、8,778百万円、2,886百万円に達した。また、アジア事業は事業基盤を確立して黒字定着を目指してきたが、2017年3月期において主要6社合計の営業利益が水面に浮上し、2018年3月期には約1億円の営業利益を計上して2期連続の黒字を達成した。

証券市場には1963年9月に東京証券取引第2部に上場したのち、1970年7月に市場第1部に指定替えとなり、現在に至っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 三和HD Research Memo(2):シャッターで創業後、国内では多品種展開を推進。海外展開も早期から注力