■泉州電業<9824>の今後の見通し

1. 2018年10月期の業績見通し
上半期の業績が比較的好調であったこと、銅価格が高値で推移していることなどから、2018年10月期の通期の連結業績は、売上高で前期比8.1%増の81,000百万円、営業利益で同12.1%増の3,590百万円、経常利益で同10.6%増の3,820百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同12.2%増の2,570百万円と予想されており、期初予想からは若干だが上方修正された。期中の平均銅価格は775千円/トン(前期比9.3%増)を予想している。引き続き比較的利益率の高い機器用・通信用電線の拡販に注力し、連続増益を目指している。半導体製造装置関連の動きが活発であることから、この目標達成は十分可能だろう。

通期の設備投資額は3,620百万円、減価償却費は423百万円が見込まれている。既に上半期で1,012百万円の投資を行っていることから、下半期だけでは2,607百万円の投資となるが、この内訳は、大阪の物流センター関係が1,150百万円、高松支店関係が490百万円、埼玉営業所が250百万円、東京西の倉庫関連が344百万円となっている。前期から続いた大型投資は今期でほぼ一巡、来期以降の設備投資は下がる見込みだ。


銅価格上昇の影響もあり、その他電線以外の全商品別で増収を予想
2. 商品別の売上高見通し
同社では商品別の売上高(単体ベース)を以下のように予想している。

(1) 機器用・通信用電線
引続き半導体製造装置や工作機械関連からの引き合いが強いことから、売上高は好調に推移すると見ており、前期比7.9%増の29,100百万円と予想している。

(2) 電力用ケーブル
依然として競争が激化しているが、後ずれしていた建設関連の需要が立ち上がると期待されることや銅価格が上昇するとの仮定から、売上高は同10.5%増の24,200百万円を予想している。

(3) 汎用被覆線
電力用ケーブルとほぼ同様で、住宅向けや中小ビル向けが後半には立ち上がると見ており、銅価格の上昇と合わせて同5.9%増の8,200百万円が見込まれる。

(4) その他電線
特に積極的な販売を行わない計画であること、主な需要先の中小ケーブルメーカーが必ずしも好調ではないことなどから、銅価格の上昇を含めて同6.1%増の3,800百万円と予想している。

(5) 非電線
銅価格の影響が少ないセグメントだが、加工品への需要は引き続き堅調であるが、ソーラー関連の先行きが不透明であることなどから、同4.8%増の10,700百万円と予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 泉州電業 Research Memo(4):2018年10月期は若干だが上方修正され12.1%の営業増益見込み