2日の日経平均は4営業日ぶりに大幅反落。451.69円安の26393.03円(出来高概算14億2000万株)で取引を終えた。ロシア軍によるウクライナへの攻撃が激化しているほか、欧米によるロシアへの経済・金融制裁強化を受け、ロシアが信用不安に陥るのではないかとの不安感も投資家心理を大きく悪化させ、幅広い銘柄に売りが優勢となり、後場中盤には一時26313.72円まで下押しした。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1800を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、鉱業、石油石炭、非鉄金属、海運を除く29業種が下落。ゴム製品、輸送用機器、保険、ガラス土石、空運などの弱い値動きが目立った。指数インパクトの大きいところでは、ネクソン<3659>、ソフトバンクG<9984>、住友鉱<5713>、KDDI<9433>、バンナムHD<7832>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>、テルモ<4543>、トヨタ<7203>が軟調だった。

ウクライナ情勢を巡っては停戦交渉が難航しており、対ロシアの経済制裁の長期化が警戒され、ロシア発の金融危機に対する警戒とともに、世界経済の悪化を招くといった懸念がくすぶり始めている。投資家による安全資産志向が強まり、株式を売って債券を買う流れに。また、地政学リスクの高まりから原油市況が上昇基調を強めており、資源インフレに対する不安も相場に暗い影を落とした。加えて、ロシア・ウクライナ問題を警戒して、米国が3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ確率は低下しているようであり、先行きに対する不透明感が一段と強まっている。

ウクライナ情勢の悪化は景気の下振れリスクとインフレの高進リスクという2つの側面があり、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策のかじ取りを難しくさせている。こうしたなか、今夜は半期に一度となるパウエルFRB議長の議会証言が行われる。ウクライナ情勢の緊迫化、欧米によるロシアへの金融制裁などを受け、金融政策運営にどのような影響を及ぼすのかを探る手掛かりとして注目されそうだ。このほか、地区連銀経済報告(ベージュブック)や2月のADP雇用統計が発表される。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ウクライナ情勢の緊迫化を背景にリスク回避の動きが優勢【クロージング】