以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2021年6月1日9時に執筆

直近の東京株式市場はGW明けから急速に地合いが悪化し、日経平均は5月11日~13日の3日間で2000円超の急落を演じ、17日にはマザーズ市場が年初来安値をつけるなど大きく売り込まれた。その間、個別株のチャートも大きく崩れ、特に信用買い残を多く抱える人気新興銘柄に狼狽売りがかさみ厳しい値幅調整を強いられる展開となったが、ここに来て売り一巡感から戻りを試すリバウンド相場の途上で6月相場入りを迎えている。

3月期決算企業の今期予想が5月中旬までに出揃い、個人投資家は個別企業の業績急変リスクを負わずに動ける状況にある。6月相場では5月の相場急落で信用整理が前倒しで進んだものや、コロナ禍にあっても業績の裏づけがあるところには買い安心感からの物色人気が集中しそうだ。直近相場では<2150>ケアネットの急騰がその好例だろう。

そこで見極めが必要になることがある。全体がリバウンド相場入りを呈する中で戻りの悪い株を「出遅れ株」として掴まないことだ。全面安で下げた後、需給が改善せず信用買い残をさらに膨らますものや、決算見通しの不調なものは理由があってリバウンド局面が示現しないからだ。

そうした質(タチ)が悪い銘柄を掴まないためには動きの良いものにつくことだろう。逆張りより順バリに重きを置くスタイルが直近では適していると判断している。

6月相場も緊急事態宣言下での取引が継続することになった。日本のワクチン接種の進捗度は、他国と比較すれば周回遅れの最下位ランナ−に等しい状況だが、変異株流行にはこれしか頼みの綱はない。米国や中国は経済活動再開で立ち直りが早い。政府と国民の行動力の差が、アフターコロナの世界経済の位置取りを左右する。株式市場の回復度合いもワクチン接種の遅れを映している様で何とも歯がゆい。

ここでは5月の急落相場後に底打ち反転チャートを見て取れるマザーズ銘柄の中から、以下の銘柄に注目したい。

i-plug<4177>・・・長引くコロナ禍にあって大学生の就活スタイルにも変化が見られる。オンライン就活の普及・定着で企業側から学生へのオファー型就活で同社が先行している。

ビジョナル<4194>・・・知名度抜群の「ビズリーチ」でおなじみの会員制求職プラットフォームを運営。5月の全体相場急落時にも周りに引きずられること無く値持ちの良さを発揮した。

メドレー<4480>・・・NTTドコモとの資本・業務提携を発表したものの株価は提携のメリットを全く無視している。値動きにクセがあり一筋縄ではいかない銘柄だが、5月11日払込の第三者割当増資価格の5500円から1300円も下に位置されたままの不可解な水準をいつまで維持できるのか興味が尽きない。


執筆者名:兜町放浪記
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情報提供元: FISCO
記事名:「 「兜町放浪記」:急落相場後の出遅れ株に要注意【FISCOソーシャルレポーター】