■NY株式:NYダウ313ドル安、米中交渉への期待が弱まる

米国株式相場は下落。ダウ平均は313.98ドル安の26164.04、ナスダックは132.52ポイント安の7823.78で取引を終了した。トランプ政権が中国による新疆ウイグル自治区でのウイグル人弾圧に関して、政府機関や監視カメラ企業など、28の機関・企業を禁輸措置の対象に加えたことが明らかとなり売りが先行。 一部中国政府高官へのビザ発給を制限していることも明らかになった。中国側は通商会談日程の短縮など何らかの報復措置を検討していることが伝わり、投資家心理の悪化から終日軟調推移となった。セクター別では全面安となり、特に半導体・半導体製造装置や自動車・自動車部品の下落が目立った。

再び、米国による中国への投資制限の検討が伝わり、中国オンライン小売のアリババ・グループ(BABA)、中国の検索大手バイドゥ(BIDU)などが下落。米長期金利の低下で、ウェルズ・ファーゴ(WFC)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が軒並み軟調推移。航空機大手のボーイング(BA)は、「737 MAX」の安全性に関して虚偽の主張を行ったとして、サウスウエスト航空の操縦士らに提訴され売られた。一方で、宅配ピザ会社のドミノ・ピザ(DPZ)は、10億ドルの自社株買い計画を発表し上昇した。

パウエルFRB議長は金融危機時の量的緩和とは異なると前置きした上で、バランスシート拡大の再開を表明した。近日中に詳細についての発表が行われる見通し。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:欧州通貨安を意識してドル・円は下げ渋る

8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円83銭から107円30銭まで上昇し、107円09銭で引けた。対欧州通貨での動きに連動したドル買いが優勢となった。ただ、「米国政府は政府年金基金における中国株保有制限を計画している」との報道や、ウイグル族弾圧で中国のテクノロジー企業数社を米企業との取引を禁止するリストに加えたことに続いて、中国高官の入国制限を発表したため、米中貿易協議への警戒感が上値を抑制した。

ユーロ・ドルは、1.0993ドルから1.0941ドルまで下落して1.0956ドルで引けた。高官の話として、ドイツ政府は景気が減速することを予想しているものの、景気後退入りする可能性が低く財政支援を検討していないことが明らかになると失望感からユーロ売りが加速。ユーロ・円は、117円52銭から117円13銭まで下落した。米中貿易協議への警戒感にリスク回避の円買いが強まった。ポンド・ドルは、1.2238ドルから1.2195ドルまで下落した。英国と欧州連合(EU)の話し合いがまとまらず英国の合意ない離脱の可能性が強まりポンド売りが加速した。ドル・スイスは、0.9905フランから0.9951フランまで上昇した。


■NY原油:小幅安で52.63ドル、米中協議進展への期待低下や欧米株安を嫌気

NY原油先物11月限は小幅安(NYMEX原油11月限終値:52.63 ↓0.12)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比−0.12ドルの52.63ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは51.81ドル−53.27ドル。米中協議進展への期待は低下したことや欧米株安を意識して原油先物は伸び悩んだ。為替相場がユーロ安・米ドル高に振れたことも嫌気されたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  27.63ドル   -0.68ドル(-2.40%)
モルガン・スタンレー(MS) 39.82ドル   -0.86ドル(-2.11%)
ゴールドマン・サックス(GS)197.37ドル  -3.03ドル(-1.51%)
インテル(INTC)        49.73ドル   -0.90ドル(-1.77%)
アップル(AAPL)        224.40ドル  -2.66ドル(-1.17%)
アルファベット(GOOG)    1189.13ドル -18.55ドル(-1.54%)
フェイスブック(FB)     177.75ドル  -1.93ドル(-1.07%)
キャタピラー(CAT)      117.97ドル  -2.28ドル(-1.90%)
アルコア(AA)         18.49ドル   -0.76ドル(-3.95%)
ウォルマート(WMT)      117.58ドル  +0.35ドル(+0.30%)
スプリント(S)         6.13ドル   +0.01ドル(+0.16%)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の米国市場ダイジェスト:NYダウ313ドル安、米中交渉への期待が弱まる