15日の日経平均は3営業日続伸。298.55円高の22169.11円(出来高概算12億2000万株)で取引を終えた。昨年12月4日以来の22000円を回復しており、年初来高値を更新した。米国市場では、先週末に決算皮切りとして注目されていたJPモルガンが堅調な決算内容だったことが安心感につながった。また、中国の3月のドル建て輸出が前年同月比14%増と、前月の21%減から持ち直したことが材料視される中、日経平均はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から22000円を回復して始まった。幅広い銘柄が上昇しており、日経平均は前引け間際には一時22211.03円まで上げ幅を拡大させている。後場は高値圏でのもち合いが続き、大引けにかけてはやや上げ幅を縮めているが、寄り付き価格を上回り陽線を形成した。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1900を超えており、全体の89%を占めるほぼ全面高商状となった。セクターでは東証33業種全てが上昇しており、その中で鉱業、倉庫運輸、保険、機械、非鉄金属、海運、その他製品、証券、金属製品、ガラス土石が2%を超える上昇。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、京セラ<6971>、テルモ<4543>がけん引した。

インデックス主導の上昇となり、TOPIXについても一時1632.19Ptまで上げ幅を広げており、4月2日以来の年初来高値を更新した。ただし、出来高は依然として低水準であり、薄商いの中を断続的なインデックス買いによって上昇した感はあるため、積極的な参加者は限られている状況とみられる。また、相場の持続性に対して懐疑的な見方をする向きは多く、今日からの日米通商交渉の行方を見極めたいところでもある。意見が衝突する可能性はあるため、内容次第では為替への影響も考えられ、相場のハシゴを外されるリスクもありそうだ。

また、今週から米企業決算が本格化する。本日はゴールドマン・サックス・グループ、シティグループが予定されている。JPモルガンのような堅調な内容となれば米決算に対する警戒感が和らぐ格好となるため、米決算の市場反応を見極めながらの対応になりそうだ。その他、日経平均はこれまでのもち合いレンジ(21000-21800円)を突破してきたため、レンジ上限だった21800円処が今後は支持線として意識されてくる。同水準には200日線が位置していることもあり、これを支持線としてキープできるかをしばらく見極めることにもなるだろう。目先的には同水準を上回っている状況の中では、リスク選好ムードが続きそうである。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 懐疑的な見方多いが200日線キープならリスク選好ムード継続【クロージング】