17日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:こう着相場のなか、引き続き中小型株に関心が集まりやすい
■外資系証券の注文動向:差し引き10万株の買い越し
■前場の注目材料:第一生命、運用難で26年ぶり、海外不動産投資を再開


■こう着相場のなか、引き続き中小型株に関心が集まりやすい

17日の日本株市場はこう着感の強い相場展開が続こう。米国市場では北朝鮮情勢に対する懸念後退を受けて買いが先行。注目されたFOMC議事録では、大半の当局者が次回会合でのバランスシート縮小開始を支持。一方でインフレ率が予想よりも長く停滞するとの認識を示し、発表後の相場はもみ合う展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円安の19710円だった。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好となろうが、前日終値を挟んでの攻防といったところか。昨日の日経平均は日中値幅が60円弱にとどまっており、売買代金は7月25日以来の2兆円を下回っていた。夏季休暇シーズンで参加者が限られていることもあり、トレンドが出難い需給状況でもある。また、白人至上主義者らと反対派による衝突を巡るトランプ大統領の発言を受け、政権運営への不透明感が強まっている。中国の上場企業で共産党の経営介入が急速に進んでいるとの報道も手掛けづらくさせそうである。

北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒はくすぶるほか、夏季休暇シーズンにより国内外の機関投資家は積極的には動いておらず、引き続き中小型株に関心が集まりやすいだろう。昨日は個人主体の資金が中小型株にシフトしており、マザーズ指数は2%の上昇となったほか、JASDAQ平均、東証2部指数はプラス圏での推移となっていた。テーマ株での循環物色も意識されやすいだろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き10万株の買い越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り690万株、買い700万株、差し引き10万株の買い越しとの観測。

08月09日(水):870万株の買い越し
08月10日(木):50万株の売り越し
08月14日(月):60万株の買い越し
08月15日(火):110万株の買い越し
08月16日(水):110万株の買い越し


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(22024.87、+25.88)
・ナスダックは上昇(6345.11、+12.10)
・好業績銘柄への物色意欲強い
・FOMC議事録、次回会合でバランスシート縮小支持
・訪日客、単月ベースで過去最高
・海外の大手金融機関、再び日本市場に照準

・第一生命<8750>、運用難で26年ぶり、海外不動産投資を再開
・東京海上HD<8766>、サイバー攻撃診断手法、リスクを点数化
・みずほ<8411>、タブレットで外貨両替、成田と関空で
・三井物産<8031>、航空機リースに1300億円、LCC需要拡大
・ヤマトHD<9064>、新規事業提案、応募簡単に、契約社員も対象
・JXTG<5020>、原料・エネ融通、川崎で統合効果50億円、拠点間にパイプライン
・西武HD<9024>株、米サーベラス、すべて売却、出資11年


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・10:30  豪・失業率(7月)    5.6%



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~こう着相場のなか、引き続き中小型株に関心が集まりやすい