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中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した統計によると、10月末時点の中国の外貨準備高は3兆530億ドル(約345兆円)で、前月比339億2700万ドル減った。3カ月連続の減少で、10月末時点の外貨準備高は2017年4月以降の低水準となった。
減少幅として16年12月以降で最大となった。8月は82億3000万ドル減で、9月は226億9000万ドル減だった。
中国国家外貨管理局の王春英報道官は7日、主要国の金融政策やグローバル貿易情勢の影響を受けて、ドル指数が2.1%上昇したことや主要国の資産価格の調整が主因だと述べた。
いっぽう、中国メディア・澎湃新聞は7日、外貨準備高の減少は中国当局が、急激な元安を阻止するために外貨準備を使用し、ドル売り・元買い介入を行ったためだとの見方を示した。今年に入ってから、元相場は対ドルで下落し続けている。
人民銀行が公表する対ドルの人民元基準値は、9月28日の1ドル=6.8792元から、10月31日に1ドル=6.9646元とドル高元安に調整された。市場の動きを反映する対ドルでの元のスポットレートは9月28日の1ドル=6.8814元だったが、10月31日は1ドル=6.9734元となった。
当局は現在、元相場が1ドル=7元台との心理的節目まで下落することを警戒している。人民銀行の高官は10月30日、元相場の安定化で外貨準備を活用すると述べた。
中国国内経済学者の夏業良氏は以前、大紀元に対して、人民元安の主因は中国実体経済の悪化とマネーサプライの急拡大だと指摘した。
夏氏は、中国当局がさらなる元安を阻止する唯一の手段は、外貨準備を取り崩して為替介入するしかないとした。しかし、「外貨準備が大幅に減少したことで、元安阻止のための資金はさほど残っていない」
国家外貨管理局の9月の公表によれば、今年6月末時点、中国対外債務残高が1兆8705億ドルに拡大した。3兆530億ドル規模の外貨準備高のうち約6割が外債だ。
また、今年6月末時点の外国企業による直接投資残高は5960億ドルで、外貨準備高の約2割を占める。外国企業が全面的に中国市場から撤退する場合、為替相場や外国企業の収益などを考慮すれば、外貨準備高のうちの約1兆ドルを外国企業に返還しなければならない。
対外債務残高と外国企業の直接投資残高を除いた後、中国当局が実際に活用できる外貨準備高は約5800億ドルにとどまる。
米ラジオ・フリー・アジア(10月31日)は、ニューヨーク市立大学の夏明教授の話を引用し、中国の外貨準備高が3兆ドルを下回った場合、中国経済や中国共産党の政権運営に大きな打撃を与えるとの見方を示した。外貨準備の急減で、資金流出や人民元安が加速化し、金融危機発生確率が高まるとみられる。
(翻訳編集・張哲)
【ニュース提供・大紀元】
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