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NATO加盟国は、対ロシア・中国の脅威に対抗するために軍事費を増加させる。足並みを揃えて、日本の防衛予算もGDP2%に達すると予想されている。ロシアは、日ロ関係が積極的に発展するなか、日本の軍備強化は対中国が目的となるよう希望している。
ベルギーのブリュッセルで開催された今年のNATO首脳会議では、全加盟国29カ国が、2024年までに加盟国の軍事支出を国内総生産(GDP)比2%をクリアする合意内容を実行する決意を表明した、首脳宣言を採択した。
NATOは多国分担金システムを取っている。NATO最新報告によると、米国の軍事支出はGDPの3.5%。ドイツは同1.24%で、目標ラインに達していない。トランプ大統領は、NATOの加盟国は自国の安全を守るため、国防能力を強化するために、より多くの資金を投入すべきだと述べた。
NATOの報告によると、米国を除くNATO加盟国28カ国の軍事総支出合計は3120億ドルで、米国はその倍にあたる推定6230億ドル。28カ国の合計GDPは、米国を上回る。
NATO加盟国の軍事増資はロシアにとって脅威となる。ロシア経済界の一部にも、経済成長が芳しくないなか軍事の支出増加は、否定的な意見もあがっている。
*ロシア、日本も防衛予算増加なら 理由づけは「中国」になるよう希望
7月11日、ベルギーのブリュッセルで開かれたNATO首脳会談で、上空の編成隊をながめる各国首脳たち(GettyImages)
同時に、ロシアは、NATOが軍事費を増やした後、アジア太平洋地域の主要な交流国である日本が、防衛支出を増加させることに懸念を抱いている。日本政府によると、日本の防衛費は18年度で5兆1911億円。17年度の名目GDP548.1兆円の約0.9%にあたる。
5月、自民党は安全保障調査会と国防部会の合同会議を開き、防衛費についてNATOの目標「対国内総生産(GDP)比2%」を目安に、「必要かつ十分な予算を確保」すべきとの提言をまとめ、同月中に安倍首相に提出した。
ブルームバーグによると、元防衛大臣である中谷元・安保調査会長は党本部で記者団に対して、「日本は各国と比べて、あまりにも防衛費の割合が少ない」とし、欧州の数値を参考にして提言に記入し、必要な予算の確保をつなげたいと語った。
NATO首脳会議にも、北朝鮮問題に対する共同宣言が含まれており、日本の要望と一致している。宣言によると、「北朝鮮に対して断固とした圧力を維持する」ことで同盟国が一致した。国連の対北朝鮮制裁の完全な履行や、核・化学・生物兵器を放棄させる取り組みなどが含まれる。
VOAによると、多くのロシア外交官は、日ロの共通認識は中国の台頭だと考えている。また、ロシアが日本の軍事支出を増やすことを目指す以上、日本の仮想敵はロシアではなく中国であるよう希望している。
ロシアの副外相は最近、世界の主要経済国である日本が国防費を増加させれば、その影響力は甚大だと表現した。日本とロシアの発展的関係を維持するため、日本の防衛増強の理由が、ロシアに矛先が向かないことを確実にしたいと語った。
ロシアのあるジャーナリストは、日本は、ロシアと中国が密接な関係になることを望んでいないため、プーチン政権が日本の懸念をうまく利用していると分析している。
いっぽう、ロシアは北方領土での軍事展開を強化しており、基盤を構築している。同時に、領土紛争で引き続き日本と交渉し、日本を失望させないようにしている。
ロシアの日本専門家は、プーチン大統領と安倍長官は非常に良い個人的関係を築いており、領土問題を解決できるという期待を、日本に抱かせていると述べた。ロシアと日本のアプローチは、双方向的だと語った。
同氏は「日本も、日ロ関係を温和に保つ必要がある。北東アジアの状況では、日本が置かれている状況は良いとはいえない。日中関係は悪く、半島情勢は安定していない」と語った。
プーチン大統領と日本の安倍首相は頻繁に会談しており、日ロ関係は穏便に保たれている。5月、ボリショイ劇場で「ロシアにおける日本年2018」が開かれた際、両首脳は式典に出席した。その後も、モスクワやサンクトペテルブルクなどの主要都市では、日本の絵画や写真展が開かれ、日本のドラマも放送されている。
(編集・佐渡道世)
【ニュース提供・大紀元】
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