また、生成AIの利用定着も市場を押し上げる一因となる。特に、ユーザ企業において業務効率化や新たな価値創出を目的とした生成AIの活用ニーズが高まっている。クラウドベンダ各社はAI関連サービスの拡充を進め、ITベンダもユーザ企業の生成AI環境の導入・運用支援サービスを強化している。しかし、ユーザ企業においては生成AIの導入が単なるPoC(Proof of Concept:概念実証)に留まり、本格的な運用には至らないケースもある。こうした状況を打開するには、ITベンダは技術提供だけではなく、ユーザ企業の業務フローの最適化やAI活用に適した組織体制の整備を支援することが不可欠である。ITベンダがこれらの支援を強化することで、ユーザ企業はより円滑に生成AIを導入・運用できるようになる。生成AIを含むAIの普及は、クラウド基盤上で求められる計算リソースとデータ容量の増大を招き、クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場の拡大に繋がると期待される。