日本で唯一の福利厚生専門誌※「旬刊福利厚生」(2023年2月時点で通巻2362号)を刊行する株式会社労務研究所(代表取締役:可児俊信)は、企業が従業員の福利厚生のために設置する「共済会」の事業内容・運営に関する調査を実施しました(3年ごとに実施)。

本調査は共済会の設置率、会員の範囲、専従担当者の有無、会費、会社補助、会の収支・資産の状況、事業(各種給付や貸付など)の内容と実施率など、共済会の平均像がわかる日本で唯一の調査※です。
2022年調査では民間企業92社・共済会68団体から回答を得られました。

調査結果は、既報のとおり旬刊福利厚生9月下旬号から2023年2月下旬号までに分割掲載しました。
2月28日(火)に刊行した2月下旬号には、調査結果の第5回として共済会の主な事業である災害見舞金、定年退職者の旅行補助、退会給付、貸付金の状況と共済会の今後に関する担当者の意識調査の結果を掲載しました。

第5回の主な調査項目は、会社や共済会が実施している災害見舞金の実施率・給付方法・給付額、定年退職旅行補助の実施率・補助額、退会給付の実施率・給付額、貸付金制度の種類・実施率・貸付限度額・利率・返済額などです。
また、今回で5回に亘って分割掲載した「共済会・会社の給付・貸付と共済会の福祉事業調査(2022年版)」の最終回となることから、共済会の担当者が今後の共済会の運営をどのように考えているかについても調査を行っています。
合わせて編集部が試算した全加入期間における会費と給付(受取額)のバランスについての特別記事も掲載しています。

調査結果の概要は以下のとおりです。また、本誌では調査回答企業の実データを掲載しています。
※2023年1月時点、労務研究所調べ

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調査結果概要 ※概要で紹介する図表の番号は全て本誌掲載のもの
【災害見舞金の実施率が減少】共済会の会員(従業員)が何らかの自然災害に遭遇した際に共済会や勤務先から給付される災害見舞金の実施率は2022年は共済会で83.8%、会社で37.0%でした。ここ数年共済会では90%台、会社では40%台で推移していましたが、今年は両者ともに下落しています。

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【災害見舞金の給付額は緩やかに上昇】災害見舞金の給付額は2022年は共済会で災害1件当たり4万9,000円、会社で1万5,000円でした。給付額はここ数年、共済会で緩やかに上昇が続いています。

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【退会給付の給付額の減少が続く】会員が会社を何らかの理由で退職する際に給付される退会餞別(せんべつ)金の実施率は2022年は共済会で57.4%でした。2007年以降減少傾向が続いています。給付額は共済会に加入した年数に関わらず2016年以降上昇を続けており、2022年は定年退職で1人当たり7.9万円、在会30年で7.1万円、在会20年で4.9万円、在会10年で3.0万円でした。

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【貸付金制度】会員の生活の安定を目的に、会員が日常生活で急きょお金が必要になった際に、少額を低利で貸し付ける貸付金制度を持つ共済会もあります。貸付は結婚、出産、教育、災害復旧、家屋修理、マイカー購入など資金用途を限定しており、共済会によって導入している制度が異なります。本誌では上記で挙げた資金用途も含めて12の用途別に実施率、貸付限度額、利率、返済期間を調査しています。
ここでは資金用途を限定しない一般貸付金についての調査結果を紹介します。その他の資金用途は本誌をご覧ください。
2022年の一般貸付金の実施率は共済会で38.2%、会社で13.0%でした。貸付限度額は共済会で148万円、会社で171万円でした。共済会の貸付限度額は2010年以降引き上げが続いています。貸付金の利率は共済会で年利2.2%、会社で1.8%でした。ただし、一般貸付金を無利息融資としている共済会も6.5%ありました。返済期間は共済会で57カ月、会社で55カ月でした。

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【共済会担当者は今後の事業をどう考えているか】回答者である共済会担当者の方に今後の共済会の運営をどのように考えているかを聞いたところ、最も多かった回答は現状維持の65.5%でしたが、事業範囲を拡充したいは19.0%でした、縮小したいの5.2%を大きく上回りました。


当社代表 可児 俊信の調査結果へのコメント
今回、3年ぶりに当社が行った「共済会・会社の給付・貸付と共済会の福祉事業調査」では、企業で福利厚生の一翼を担ってきた「共済会」にスポットを当て、最新の事業内容、運営の実態を明らかにしました。調査は大手から中小・中堅まで、業態を問わずさまざまな企業で共済会は福利厚生を下支えしており、重要な存在であることが再確認できる結果でした。
会社の負担をあまり増やさずに福利厚生を拡充する手段として、共済会の活用は有効な手法です。採用力を高めるためにこれから福利厚生の充実に力を入れようとお考えの新設企業にも設置をお勧めしています。
また、当社のコンサルティングでは、古くから設置されている共済会では事業内容が現在の従業員ニーズに合っていない、会費の余剰金の活用に困っている、会の運営が紙ベースであるなど事務体制のオンライン化が進んでいない、制度設計ができるだけの専門知識を持った従業員が今はいない、などさまざまな課題があることが分かっています。
こうした共済会が抱える課題を解決するために当社では、本誌による最新の福利厚生データの提供と共にコンサルティングによる直接の支援も行っております。共済会の活用、共済会運営にお困りごとがある場合には当社までご連絡ください。

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【調査概要】
調査方法:郵送アンケート
調査対象:上場企業及び中堅企業3,000社
有効回答数:民間企業92社・共済会68団体
調査期間:2022年7月10日~8月10日
調査機関:株式会社労務研究所
※本リリースを掲載いただく際は、出典「旬刊福利厚生調べ(株式会社労務研究所)」と記載いただければ、個別の許諾申請は不要です。

【調査の背景】
人的資本経営やダイバーシティ経営の推進のため、能力を発揮できる、「働きやすい職場づくり」の手段として、福利厚生は近年注目を集めています。会社選びにあたり福利厚生を重視する就活学生も増えています。
一方で「魅力的な福利厚生は大企業にしかない」と考える言説は根強いものがあります。しかしながら、中堅・中小企業の限られた予算・人員の制約下でも福利厚生を充実させることは可能です。
本誌ではその手段として「共済会」の活用を提案しています。「共済会」は古くからあるものですが、依然として福利厚生の充実に有用な仕組みです。各種調査、事例の紹介を通じ、共済会をこれから設置しようとお考えの法人、または設置しているが十分活用されていない共済会の支援を行っていきたいと考えています。

【旬刊福利厚生の紹介】
旬刊福利厚生は昭和26年の発刊以来、福利厚生施策の実態調査、事例紹介、動向の解説および重要な関係情報を分かりやすく伝えてきました。福利厚生の見直しをお考えの法人、これから福利厚生を始めようとお考えの法人の皆様は是非本誌をご活用ください。本誌の発刊を通じて蓄積した膨大なデータに基づく、「福利厚生コンサルティング」によるご支援も承っております。

【株式会社労務研究所の紹介】
労務研究所は、福利厚生分野の専門機関として1950年の設立以来「旬刊福利厚生」誌の発行を中心業務として福利厚生情報の提供を続けています。

福利厚生は歴史とともに多様化しており、代表的なものでも独身寮・給与住宅、資産形成支援、職場給食、レクリエーション活動、相互扶助などがあります。
また、近年ではこれらの伝統的な諸施策に加え、カフェテリアプラン、育児・介護・働き方の見直しを含んだワーク・ライフ・バランスの実現支援、ライフプランセミナーの実施、自己啓発支援、社会貢献活動支援、福利厚生業務のアウトソーシング化など、新しいテーマが次々に登場していますが、こうしたトレンドについても調査・事例収集などにより読者に新しい情報を提供しております。

労務管理分野でも「福利厚生」だけに焦点を当てた出版・研究所は他にありません。長年収集を続けてきた調査や資料を基に、購読企業の福利厚生の充実を支援しています。

会社名:株式会社 労務研究所
代表者:代表取締役 可児 俊信
所在地:〒101-0024 東京都千代田区神田和泉町1-6-7 水野ビル3F
E-Mail:info@rouken.com
Web:https://rouken.com/



配信元企業:株式会社労務研究所
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情報提供元: Dream News
記事名:「 「共済会・企業の災害見舞金,退会給付,貸付金の各制度の状況と共済会の今後が明らかに」~2022年版 共済会・会社の給付・貸付と共済会の福祉事業調査~【「旬刊福利厚生」2023年2月下旬号】