ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --オムディアが四半期ごとに公表している中小型ディスプレイ市場トラッカーの最新の分析によると、2025年第2四半期の出荷台数は前四半期比(QoQ)で10%、前年同期比(YoY)で6%減少することが見込まれています。この減少は、中小型ディスプレイを採用するデバイスメーカー、特にスマートウォッチとスマートフォンメーカーにおける事業調整および在庫調整が要因です。関税リスクにより、これらのメーカーは2024年第4四半期から2025年第1四半期にかけてパネル在庫の積極的な積み上げを図りました。しかし、2025年第2四半期に関税懸念が緩和されたことから、デバイスメーカーの調達計画はより慎重なものとなり、その結果パネルの出荷台数の減少が見込まれています。






オムディアの「中小型ディスプレイ市場トラッカー」によると、2025年第1四半期における中小型ディスプレイの出荷台数(9インチ未満のすべてのディスプレイが対象)は10億4,800万台に達しました。このうち、AMOLEDパネル(アクティブマトリクスOLED)が6億1,200万台で、市場シェアの58%を占めています。中小型AMOLEDパネルは主にスマートフォンとスマートウォッチ向けで、自動車やゲーム向けは比較的少ない出荷台数に留まりました。2025年第1四半期の出荷台数は、中小型ディスプレイ採用ブランドとOEMによる在庫の積み増しや関税に対するリスク管理の強化、AMOLEDパネルメーカーの設備稼働率の上昇を要因に堅調に推移しました。スマートフォンは2025年第1四半期時点で相互関税の対象外である一方、中国製スマートフォンは米国への輸入時に20%の関税が課せられました。AppleのiPhoneの80%が中国でつくられ、34%が米国に輸出されているため、潜在的な関税リスクに備えたパネルの在庫調整が特に顕著にあらわれました。さらに、中国政府の家電に対する特別補助金により、同期間中に国内のスマートフォン購入が活発化しました。


ただし、中小型ディスプレイの出荷台数は在庫調整が続くことで2025年第2四半期に9億4,200万台にまで減少すると予想されています。AMOLEDの出荷台数は5億5,100万台となり、市場シェアは58%を維持する見込みです。携帯電話用ディスプレイ(OEMセルを含む)とスマートウォッチディスプレイは、前四半期比でそれぞれ14%、18%の減少が見込まれており、これは最も大きな減少幅となります。一方、アミューズメント用ディスプレイは、新しいモバイルゲーム機の発売により前四半期比で100%を超える大幅な成長が見込まれます。


「中小型ディスプレイ市場は伝統的に季節変動があり、通常、年の後半に最も強い成長率を示します。しかし、2025年第2四半期の前四半期比10%の減少は、関税リスクと在庫調整による影響を明確に示しています」と、オムディアのディスプレイ調査部門シニアディレクターであるデビッド・シェは述べています。「一方、AMOLEDパネルは、中小型ディスプレイの出荷台数全体の58%という安定したシェアを維持しており、特にLTPS TFT LCDファブに対し、長期的な事業継続のための圧力が高まっています。一方、エントリーレベルのスマートフォン向けのa-Si TFT LCDパネルの出荷台数は安定しており、中国のLCDメーカーがGen8.5およびGen8.6 LCDファブで中小型a-Si TFT LCDパネルの生産を拡大する動きが加速しています。今後、中小型ディスプレイ市場のスマートフォン以外の様々なデバイスやアプリケーションへの多角化が継続することで、2025年第3四半期には成長回復が見込まれると考えています。」


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記事名:「 オムディア:2025年第2四半期の中小型ディスプレイの出荷台数は、在庫調整により10%減少する見通し