• IQMが公開した開発ロードマップによると、2030年までにフォールト・トレランスを実現することを目標とし、量子エラーの削減と訂正を組み合わせることで100万量子ビットまで拡張する道筋を説明


  • このロードマップは、ハードウェア効率の高いエラー訂正を目的としたIQMの2つのプロセッサ・トポロジーであるStarとCrystalの統合、およびHPC統合のためのオープン・モジュラー型ソフトウェア・スタックを説明



  • IQMは量子機械学習、量子システムのシミュレーション、最適化における早期の業界でのユースケースも実証

エスポー、フィンランド--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --超伝導量子コンピューティングの世界的リーダーであるIQMクアンタム・コンピューターズ(IQM)は、2030年までにフォールト・トレラント量子コンピューティングをターゲットとした技術的マイルストーンを伴う開発ロードマップを発表し、これによって近い将来の使用を可能にする専用の中規模量子(NISQ)のアプローチも実現すると発表しました。






IQMは創業以来、3世代のプロセッサに基づくフルスタックの量子コンピューターを提供してきました。IQMが発表した12年のロードマップは、新しいアルゴリズムのアプローチ、モジュール式ソフトウェア統合、スケーラブルなハードウェアの進歩を通じて、量子ソリューションの開拓を目指すというビジョンを反映したものとなっています。このロードマップは、オープン型のソフトウェア・スタックで制御するフルスタック・システムにシームレスに統合された次世代の量子プロセッサを設計・製造する能力を活用しています。


IQM独自の共同設計能力によって、IQMの2つのプロセッサ・トポロジーであるIQM StarとIQM Crystalを統合することで、効率的なエラー訂正の実装と高いシステム性能を実現するロードマップを導きます。ロードマップ実現に向けて、IQMは研究開発、試験、製造施設に計画的に投資し、高いキュービット品質とゲート忠実度を維持しながら、技術を100万キュービットまで拡張しています。


開発者コミュニティを支援し、量子コンピューティングを利用しやすくするため、IQMは高性能コンピューティング(HPC)との緊密な統合も可能にし、特別なソフトウェア開発キット(SDK)も作成する予定です。オープンインターフェースは、量子エラーの緩和、共同開発ライブラリ、IQMの量子コンピューターにおけるユースケースなどのエコシステムを強化します。


IQMは、量子シミュレーション、最適化と量子機械学習に重点的に取り組み、複数の産業分野で量子優位性を実現することを目指しています。マッキンゼーの報告書によると、これらの厳選されたユースケースは、2035年までに280億米ドル以上の価値を生み出す可能性を秘めています。


量子優位性は、何百から何千もの高精度な論理キュービットを備えた完全なエラー修正システムによって実現します。このエラー修正は、新しい量子低密度パリティ検査(QLDPC)符号を効率的に実装することで実現されます。このアプローチにより、サーフェスコード実装と比較して、ハードウェアのオーバーヘッドを最大10分の1に削減できます。


さらに、IQMはエラー率10^-7以下の高精度論理量子ビットを目標としており、化学や材料科学など、非常に高い精度が求められるアプリケーションに量子優位性をもたらします。


「私たちは、独自のStar型トポロジー、長距離カプラ、先進的なパッケージングと信号ルーティングを対象にした非常にコンパクトなアプローチにより実現した、新しいチップ・トポロジーを通じて、量子低密度パリティ検査(QLDPC)符号を実装しています」と、IQMクアンタム・コンピューターズの共同創設者兼共同最高経営責任者(共同CEO)のヤン・ゲッツ博士は述べ、さらに「これは、ハードウェアの効率性に対する取り組みを強調するものであり、オープン・モジュラー型ソフトウェア・アーキテクチャと組み合わせることで、耐障害性への現実的で拡張可能な経路を実現します」と述べました。


ヤン・ゲッツ博士は、会社独自のクリーンルーム施設が、高性能な量子プロセッサを可能にするユニークな長距離接続を備えた複雑なプロセッサの製造をサポートすることを強調しています。


この目的を達成するために、IQMは先進的なパッケージングと3D統合のための新しいソリューションを導入し、エラー率の削減という意欲的な目標を維持しながらスケーラビリティを確保します。また、大規模なプロセッサはモジュラー方式で構築され、極低温エレクトロニクスで駆動されます。その結果、熱負荷が低減し、パッケージング・ソリューションが大幅に小型化され、1キュービットあたりのコストが削減されます。これによって、HPCおよびエンタープライズ市場におけるIQMの顧客は、より高性能で手頃な価格の製品を手にすることができるのです。


オンプレミスおよびクラウド・アクセスを提供しているIQMは、2020年よりHPCセンターへの量子システムの統合に特化しています。最近の事例として、ライプニッツ・スーパーコンピューティング・センターにおけるドイツ初のハイブリッド量子コンピューターがあります。


IQMは、今後の出版物、ブログ投稿、業界および学術イベントにおいて、ロードマップの詳細をさらに説明していく予定です。


IQMクアンタム・コンピューターズについて


IQMは、超伝導量子コンピュータの設計、構築、販売における世界的大手企業です。同社は、オンプレミス型のフルスタック量子コンピュータだけでなく、世界中のどこからでもIQMのコンピュータにアクセスできるクラウド プラットフォームも提供しています。同社の顧客には、主要な高性能コンピューティング センター、研究所、大学、企業などが含まれおり、IQMのソフトウェアとハードウェアにフルアクセスすることができます。IQMは、280人以上の従業員を擁し、エスポー、マドリード、ミュンヘン、パリ、パロアルト、シンガポール、ワルシャワにオフィスを構えています。


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情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 IQMクアンタム・コンピューターズ、2030年までにフォールト・トレラント量子コンピューティングに特化した開発ロードマップを公開