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TIIの暗号研究センターが開発したプログラムが個人情報保護技術とクラウド・コンピューティングのセキュリティーを強化
アラブ首長国連邦アブダビ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- アブダビの先端技術研究評議会(ATRC)の応用研究の支柱である技術イノベーション研究所(TII)は本日、暗号研究センター(CRC)が個人情報保護とクラウド暗号化スキームを強化する先進技術を後押しするために、UAE初のセキュア・クラウド・テクノロジー・プログラムを開始したと発表しました。
TIIによれば、このセキュア・クラウド・テクノロジー・プログラムは、ユーザーが最初に暗号化されたデータを復号することなく計算を実行できるようにする暗号化方式の完全準同型暗号(FHE)や、入力データの秘匿性を保ちながら入力の関数値を計算する方法を提供するマルチパーティー計算(MPC)など、個人情報保護強化技術(PET)を推進することを目的としています。この種の研究を機械学習向けの検証可能な計算分野と組み合わせ、個人情報保護が求められないサービスとしての推論のユースケースで正しさの証明を提供する予定です。
担当研究チームは、ハードウエア暗号化チームとも協力し、FHEハードウエア・アクセラレーターを開発し、特定の計算タスクをシステム内の専用ハードウエア・コンポーネントにオフロードして、さらなる効率化を実現します。
この発表について、先端技術研究評議会(ATRC)事務局長のファイサル・アル・バンナイ閣下は、次のように述べています。「クラウド・コンピューティングは過去10年間に大きな成長を遂げましたが、セキュリティーと個人情報保護に関する課題が生じています。従来のアプローチでは、データを処理するために復号化したり、クラウド集中型の鍵管理システムが必要だったりするため、データと秘密鍵の両方がクラウド・プロバイダーに開示されてしまいます。こうしたことが、TIIの暗号研究センターの研究者によるこのプログラムの立ち上げの重要性を浮き彫りにしています。」
暗号研究センター主席研究者のNajwa Aaraj博士は、次のように語っています。「FHEにより、秘密の復号鍵がなくても、データが暗号化されたままで、任意に複雑な動的に選択された計算を実行することができます。さらにFHEは、忘却型連合学習モデルを実装するマルチパーティー計算(MPC)プロトコルを実現する重要な要素ですが、これは必須インフラのデータ転送で増加しています。」
「TIIによる秘密共有ベースのMPCの実装は、FHEの構成要素を活用して、能動的なセキュリティーと最適化された前処理を提供し、機械学習モデルの忘却型実装を高速化します。また、FHEは計算を集中的に必要とします。そのためTIIの研究者は、主成分分析と演算分析が駆動するハードウエア・アクセラレーターを開発し、ASICと複数のFPGAプラットフォームを使用して、ターゲットとする機能を強化しています。さらに将来的には、拡張可能な命令セット・アーキテクチャーを備える組み込みプロセッサーへの実装も検討しています」と、Aaraj博士は述べています。
暗号研究センターは、技術イノベーション研究所の当初の7つの専門研究センターの1つであり、耐量子暗号、ハードウエア・ベースの暗号、軽量暗号、暗号解析、暗号プロトコル、クラウド暗号スキームなど、複数の暗号分野の科学者を雇用して、共同研究を行っています。同センターは、理論および応用の暗号技術者を研究志向の環境に集めた、世界でも数少ないセンターです。暗号学者は、革新的成果につながる画期的研究プロジェクトで協業しています。
技術イノベーション研究所(TII)の詳細情報については、www.tii.aeをご覧ください。
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Technology Innovation Institute
Haitham Haddadin
Haitham.Haddadin@tii.ae