戸田幸伸氏(左)と平岡裕章氏(右) 公益財団法人稲盛財団(理事長:金澤しのぶ)は、3月14日(金)、2025年度稲盛科学研究機構(InaRIS: Inamori Research Institute for Science)フェローを発表しました。2025年度対象領域は「数学の深化と展開」で、InaRISフェローには、29名の応募者の中から、戸田幸伸氏(東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構・教授)と平岡裕章氏(京都大学高等研究院・教授)の2名が選定されました。フェローには、毎年1,000万円を10年間、総額1億円を助成します。
<研究の概要> 近年の生物学では網羅的実験によって膨大なデータが生成されているが、そこから生物学的原理を見出すことを可能にするデータ解析手法が不足している。種ごとの内在的データ構造および種間の相対関係を明らかにすることで生物学的知見を深めていくが、これは数学的にはデータが定める空間や写像の不変量を抽出することに対応する。本研究では「What makes us human?」という生物学的な問いに対して、種差表出原理を解明する数学的データ解析手法の開発に取り組む。