図1. 新規FMT法と従来のFMT法の比較


昨年開催の第7回学術大会の様子(パネルディスカッション)


昨年開催の第7回学術大会の様子(パネルディスカッション2)


第7回学術大会(開会の挨拶)

一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会は、昨年5月から実施してきた新規腸内細菌叢移植(新規FMT)法による自閉スペクトラム症(ASD)の治療に関する臨床研究の結果を第8回学術大会で発表します。

イベント詳細: https://fmt-japan.org/post/12697

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/392489/LL_img_392489_3.png
昨年開催の第7回学術大会の様子(パネルディスカッション2)

1. 新規FMTの特徴
新規FMT技術は「水素ナノバブル水を用いて調製した腸内細菌叢」を用いてFMTを施行する新しい方法論です。
この技術は、図1で示したように、現行のFMT法で一般的な手法となっている、FMT施行前の抗菌薬の連続投与や腸管洗浄を必要とせず、また、投与量(投与細菌数)も、現行法の1000分の1から10万分の1でFMTを完結できる、有害事象など患者の負担を軽減した革新的な手法です。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/392489/LL_img_392489_1.png
図1. 新規FMT法と従来のFMT法の比較

2. 新規FMT法を用いた自閉スペクトラム症の治療への適用
本臨床研究は、新規FMT法をASDの治療に適用したものです。

FMT法を用いるASDの治療に関する臨床研究は、既に海外においても、アリゾナ大学、及び中国・第三軍医大学の研究者らによって行われています。

アリゾナ大学のKang等は、ASDの子供たちに抗菌薬を連続投与し、次いで腸管洗浄後にFMTを施行し、ASDの検査法であるSRS-2で評価した結果、2年後には、治療前に重症であったASD児のうち、約50%がより低軽症域に移行したと報告しています。しかし、この場合には、抗菌薬などによる有害事象が生じています。一方、中国・第三軍医大学のLi等は、抗菌薬は使用せず、腸管洗浄のみを行った後、FMTを施行しています。しかし、この場合には、FMT施行後、重症度が約10%低減したものの、その効果は持続しなかったと報告しています。
前者の場合、FMT施行時の移植菌液の投与量(細菌数)は、私たちの新規FMTで用いる投与量(細菌数)の約1000倍であり、後者の場合は、10万倍の細菌数を投与しており、このような投与量の増大は有害事象など、ASD児への負担を大きくしています。


3. 本臨床研究の結果
30名のASDのお子さんを対象として、新規FMT法を施行いたしました。
その結果をASDの検査法であるSRS-2によって、FMT施行前後のASDの重症度の変化を評価しました。
その結果、FMT施行前においては、研究対象者30名のうち、28名が重度、1名が中等度、1名が正常域でした。FMT施行後24週目には、重度であった19名、及び中等度であった1名は、中度、軽度、及び正常域に移行しました。
即ち、新規FMT法によって、70%のASD児が、より軽症域に移行することが明らかになりました。

さらに、この度、ASDのお子さんの多くが持つ、感覚処理障害、胃腸障害、うつ症・不安症、及びアレルギーに対する効果も検討し、いずれに対しても新規FMT法が軽減効果を示すことが分かりました。
これらの結果に関しても、当日併せて、発表いたします。

今回の臨床研究に参加したお子さんの保護者からも、症状の変化に関して、以下のようなお声をいただいています。
『明らかに癇癪を起す回数が減っており、イライラした時の切り替えが本当に早くなった。』、『会話中に目線が合い、会話のキャッチボールができるのは継続している。好きなことも嫌なことも話せるようになってきた。全体的にコミュニケーション能力が向上した。』、『これまであまり遊ばなかった太鼓のおもちゃで遊んでおり、音の鳴るおもちゃに対する苦手意識がなくなったように感じた。』、『学校で準備が遅れてしまう時、以前であれば大声を出したり怒ったりしていたが、落ち着いて先生に「支度が終わりませんでした」と報告することができた。』


■学術大会について
医療従事者の方だけでなく、自閉スペクトラム症のお子さんを持つ保護者の方や関係者の方、腸内細菌と疾患の関係に興味のある方、どなたでも参加いただけます。
お申込みいただいた方には、後日アーカイブ配信をいたします。当日参加の方は、オンラインで質問も受け付けています。


■スケジュール
※発表内容や順番の変更がある場合があります
10:30 開場
11:00~ 開会の挨拶
代表理事 田中 善 先生(医療法人仁善会田中クリニック 理事長)
11:05~ 会員による症例報告
12:00~ 研究員によるNanoGAS水基礎研究発表
12:30~ 昼休憩(お弁当付き)
13:30~ 基調講演
「発達障がいを見て・視て・観て・診て・そして~」
平山 哲(ひらやま さとる) 先生
地方独立行政法人大阪府立病院機構
大阪母子医療センター
子どものこころの診療科 副部長
14:30~ 自閉スペクトラム症に対する新規糞便微生物移植法の
有効性と安全性に関する臨床研究結果報告
専務理事 城谷 昌彦 先生(ルークス芦屋クリニック 院長)
15:30~ パネルディスカッション・質疑応答
16:30~ 今後の取り組みについて
16:50 閉会の挨拶
専務理事 城谷 昌彦 先生(ルークス芦屋クリニック 院長)
17:30~20:00 懇親会


■開催概要
イベント名: 第8回学術大会
開催日時 : 2024年9月22日(日)11時開会(10時30分開場)~17時閉会予定
会場 : リーガロイヤルホテル大阪 ロイヤルホール
(〒530-0005 大阪市北区中之島 5-3-68)
アクセス : https://www.rihga.co.jp/osaka/access
定員 : 会場参加300名、オンライン参加300名
主催 : 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会
申込方法 : 申込ページ https://fmt20240922.hp.peraichi.com/
公式サイト: 医療従事者向け https://fmt-japan.org
患者さん向け https://fmt.sym-biosis.co.jp


■参加費
6月30日までのお申し込みで早割価格にてご購入いただけます!

●会場参加申し込み
【非会員】医師・歯科医師・獣医師 学術大会(会場参加) 25,000円→<早割価格>20,000円
【非会員】一般企業 学術大会(会場参加) 12,000円→<早割価格>10,000円
【非会員】一般企業2人目~ 学術大会(会場参加) 6,000円→<早割価格>5,000円
【非会員】一般 学術大会(会場参加) 7,000円→<早割価格>6,000円
【非会員】学生 学術大会(会場参加) 6,000円 →<早割価格>5,000円
【非会員】移植患者さん御家族様 学術大会(会場参加) 6,000円 →<早割価格>5,000円

懇親会は、どなたでも御参加いただけます。昨年、水素NanoGAS水によって開栓後の日本酒やワインの風味を延長させる可能性を検証するため、NEDOの助成金を受けました。試飲コーナーを設けていますので、新規FMT法を支える水素NanoGAS水の可能性を体感してください。
懇親会参加ご希望の方は学術大会参加費に別途必要です。※定員100名
懇親会参加費12,000円→<早割価格>10,000円

●オンライン参加申し込み
【非会員】医師・歯科医師・獣医師 学術大会(オンライン参加) 20,000円→<早割価格>15,000円
【非会員】一般企業 学術大会(オンライン参加) 12,000円→<早割価格>10,000円
【非会員】一般 学術大会(オンライン参加) 4,000円→<早割価格>3,000円


■財団概要
商号 : 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会
代表理事 : 医療法人仁善会 田中クリニック
代表理事 田中 善
所在地 : 大阪市都島区
設立 : 2017年11月
事業内容 : ホームページにてご確認ください
https://fmt-japan.org/aboutus
ホームページ: https://fmt-japan.org/


添付動画 第7回学術大会 城谷先生 臨床研究中間発表
https://www.youtube.com/embed/4RnBY3aXhxI
第7回学術大会 パネルディスカッション
https://www.youtube.com/embed/s7_y7lqZGdA
第6回学術大会 パネルディスカッション
https://www.youtube.com/watch?v=y-L2W_Kx7gI
情報提供元: @Press