撮影:山岸和人


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撮影:山岸和人


原 嘉孝主演、的場浩司、釈 由美子らの出演するノサカラボ『罠』が、本日、10月22日から東京・ニッショーホールで開幕した。東京は10月30日まで、11月2日~3日は大阪・松下IMPホールで上演する。 
この作品『罠」は、世界の名作ミステリーを舞台化していくプロジェクト「ノサカラボ」の最新公演で、フランスの劇作家ロベール・トマが 1960 年に書き下ろした傑作として知られる。
風光明媚なシャモニーの山荘を舞台に、わずか6名の男女で繰り広げるスリリングでドラマチックなミステリーだ。
主人公で、妻が失踪し憔悴するダニエルを演じるのは原 嘉孝。なかなか本腰を入れない担当のクァンタン警部への苛立ちや、妻と名乗って現れた見知らぬ女に動揺し振りまわされる姿を、繊細に表情豊かに演じている。
地元警察のクァンタン警部を演じるのは的場浩司。有能なのか無能なのか、どこかやる気のなさそうな中に鋭いナイフのような目線を隠し、この物語の謎の深さを感じさせる。
ダニエルの妻と名乗る女を連れてくるマクシマン神父は高田 翔。黒の神父服がよく似合い、誠実そうな印象を与えるだけに、物語の展開とともに見せる別の顔が衝撃的だ。
ダニエルの妻と名乗り、神父とともに山荘に現れる謎の女には、元宝塚歌劇団の麻央侑希。長身でスレンダーな容姿にミステリアスな雰囲気を漂わせながらダニエルを翻弄、物語を混乱させる。
捜査を左右する重要な証人としてやってくる看護婦、ベルトン嬢の釈 由美子は後半になっての登場だが、短い時間の中で見せるインパクトは強烈。
もう1人、ダニエルにとって大事な証言者、放浪の芸術家の渡りガニは劇団民藝の横島 亘。緊迫した物語の空気を緩めるような明るさを持ち込んで印象を残す。
張り巡らされた伏線と二転三転する展開、その先の思いがけないラストまで、観客もともに推理し、ともに息を呑みながら行方を見守る舞台『罠』。その凄みと面白さをぜひ堪能してほしい。
この公演の初日前日に公開舞台稽古が行われ、出演者と演出の野坂 実が登壇した。


【コメント】


原 嘉孝(ダニエル・コルバン役)


やっと初日が来た!という気持ちです。すごく体力がいる作品です。チームワークもすごく必要な作品なのですが、稽古場から的場さんがずっと引っ張ってくださって、通し稽古もみんなで早く来て自主稽古で1回やって、そのあと2回稽古していたので、本番で2回公演が続いても全然大丈夫です。(笑)。観てほしいシーンは、ダニエルの最初から最後までの気持ちの変化と、チームワークのよさです。僕らがやってきたことがお客様にどう届くのか楽しみです。
 


的場浩司(クァンタン警部役)


早く初日の幕を開けたいですね。稽古はやればやるほど熟成する。今回はそれに付き合ってくれる気の合うメンバーが揃っていたのが良かったなと。稽古場に早めに入ったとき、同時にヨシ(原)が入ってきて、「一緒に通しましょう」と言ってくれたのがめちゃくちゃ嬉しかったです。観てほしいところはダニエルの変化と、もし何度も観てくれるなら、周りのみんなの演技のちょっとした変化を楽しんでください。


高田 翔(マクシマン神父役)


稽古では日々違う作品をやっているような感覚がしたぐらい毎日刺激的でした。こんなに自分たちで通し稽古をしたのは初めてで、的場さんは「遅刻しないために20分前に行くんだ」と言ってましたけど大ウソで、3時間前にきてました(笑)。今年は原くんと一緒の公演が続いて、楽屋も一緒が多いので、リセットの仕方とか熟知しています(笑)。


釈 由美子(ベルトン役)


ワクワクしています。稽古場ではマスクをしていたので、劇場の稽古で初めて外したとき、ダニエルはこんな顔して演技していたんだ!と新鮮でした。原さんは本当にいい役者さんだなと母心で見ています。(原「僕の母も由美子って名前なんです」)ますます母心です(笑)。私の出番は後半で短いのですが、皆さんを罠にかけたいです。


麻央侑希(妻を名乗る女役)


すごく濃密な稽古をしてきました。そして今、劇場でメイクをして衣装を着て照明を浴びているのがとても楽しいです。原さんはすごくストイックな方で、稽古時間もずっと台本を開いてて、休憩時間もすぐ演出の野坂さんのところに聞きに行く、本当に真面目な方だなと。観てくださる方には、すごく没頭できる会話劇なので楽しんでいただきたいです。


横島 亘(渡りガニ役)


皆さん初共演で活躍されている方たちですが、気さくで最初からすっと入り込めて楽しくやってます。ミステリーも初めてのチャレンジですが楽しんでいます。物語の中で僕だけがダニエルに幸福な瞬間を与えられる存在で、喋っているときの原くんの目がすごく綺麗なので、なんとか助けてあげたいんですが…これ以上は舞台を観てください。


野坂 実(演出)


こんなにお芝居が好きな人ばかりというのも珍しいです。僕が行く前にみんなで集まって通し稽古をしていたり、今日は早く終わろうかと言うと怒り出す人もいて(笑)。それだけにこの6人でしかできない『罠』になったし、このメンバーで作れてよかったです。みんなの見どころポイントは、的場さんはいつものイメージと違うところ、釈さんの二面性、原くんも高田くんもはお芝居が達者なんですが、押さえる芝居もしてもらってます。麻央さんは高貴な中にある強さ、横島さんはユーモアとセンスです。僕たちがお客様に仕掛けた『罠』も面白く仕上がっているはずなので、ぜひ何度も細かく観ていただいて楽しんでください。


<公演概要>


■タイトル ノサカラボ『罠』
■演出:野坂 実  原作:ロベール・トマ  翻訳:小田島恒志・小田島則子
■出演 原 嘉孝/麻央侑希、高田 翔、横島 亘(劇団民藝)/釈 由美子/的場浩司
■東京公演:2022年10月22日(土)〜30日(日) ニッショーホール(12回)
■大阪公演:2022年11月2日(水)〜3日(木祝) 松下IMPホール(3回)
■チケット 一般前売 8,800円/一般当日 9,300円(全席指定、税込)
■公式HP https://nosakalabo.jp/wana2022/


舞台「 罠 piège pour un homme seul 」 : https://nosakalabo.jp/wana2022/


情報提供元: @Press