この床振動の共振現象の対策案としては、制振装置であるTMD(チューンド・マス・ダンパー:Tuned Mass Dumper)を設置することが一般的になっています。TMDはマス(錘)の振動を対象構造物と同調(Tuned)させることにより共振させ、対象構造物の振動エネルギーを吸収して振動を低減させます。従って、屋内のレイアウト変更などによる積載荷重の変化によって床の固有振動数が当初の値から変化すると、TMDの振動周波数とずれてしまい、その効果を最大限に発揮させることができなくなってしまいます。そして、大型のTMDになると天井裏に設置されることが多く、特に4点支持方式のTMDでは、一旦、共振周波数を合わせてしまうと、後から共振周波数を変更することは非常に困難でした。