大阪・関西万博が開幕した13日、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)の会場は14万人以上が来場を予約した一方で、兵庫県尼崎市にある来場者向けパーク・アンド・ライド(P&R)用の駐車場は空きが目立った。隣接地で県産品を販売する夜市を開催する県にとっては先行きが不安なスタートとなった。

 万博では夢洲の外で3カ所に予約制の駐車場が設けられ、会場とシャトルバスで結ぶ。尼崎市では夢洲を臨む東海岸町沖の産業廃棄物の埋め立て地跡に設けられた。阪神高速湾岸線のインターチェンジが近くにあるのが理由で、会場までバスで約30分。基本料金は1台5000円で時期など条件によって変動する。

 広さは約10ヘクタールで約3000台が収容可能だが、13日午後は入り口付近には車が駐車していたが、奥の方はガラガラ。万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)の予約状況をみると、午前9時以降は空きありを示す「〇」が続いていた。JRなどの駅と会場を結ぶシャトルバスが予約満杯を示す「×」が並ぶのとは対照的だ。

 県は万博来場者向けに、毎週土日の午後4~9時、P&R駐車場の隣に設けた約20のブースで県産品などを販売する夜市「ひょうご楽市楽座」を開催する。初日となる13日は強風と雨でイベントそのものが中止になってしまった。県の担当者は万博駐車場の空きについて「P&Rの周知が遅れているのが一因では」と気をもむ。

 万博協会によると、来場者は秋の閉幕前がピークで1日平均22・7万人。3割の6・8万人がP&R駐車場などを利用すると見込む。県は期間中に駐車場周辺で「空飛ぶクルマの」デモンストレーション飛行も実施する予定で、今後、追い風が吹くのを期待している。【井上元宏】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 混雑の万博、兵庫・尼崎の予約駐車場はガラガラ 追い風に期待