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梅雨の時期は雨や曇りで太陽が出ない日が多いため、紫外線量が少ないと油断している人もいるのではないでしょうか。
しかし、雨で日差しが出ていなくても紫外線量が0%になることはありません。曇りの日は快晴時の約60%、雨の日だったとしても30%ほどの紫外線が降り注いでおり、気象庁の観測データによると7〜8月の次に紫外線量の多い時期が6月なのだそう。
ではなぜ、日差しが無くても紫外線は発生するのでしょうか。
太陽光は目に見える可視光線と目に見えない不可視光線があり、紫外線は不可視光線にあたります。
同じく目に見えない「空気」同様、雲や雨の間をすり抜けて地上へ降り注ぐため、天候が悪くても紫外線量が0%になることはありません。
また、梅雨時期は曇りの日も多いものの、雲には太陽光を散乱させる働きがあり、快晴の時よりも紫外線量を増加させる場合もあるのだとか。
国内の紫外線量が最大値になった事例では全天の80%以上が雲に覆われている状況であったそう。
このことからも、曇りの日でも紫外線対策はしっかり行った方が良い事が分かります。
また、紫外線も地面や水たまりから反射するため、下方向からの照り返しにも注意が必要です。
また、雨上がりの晴れ間は特に強い紫外線が反射するため、水たまり・積雪には特に注意が必要。反射した紫外線はガードが難しいため、日焼け止めを塗るなどの対策を常にするようにしましょう。
また、高温多湿な夏場は皮脂や汗で紫外線対策がくずれてしまい、そこから紫外線のダメージを受けてしまう可能性も。
フィット感があってくずれにくい日焼け止めを塗ることはもちろん、日中の外出を避けたりこまめな塗り直しを行いましょう。
肌の老化には、大きく分けて「光老化」と、加齢による「自然老化」の2種類があります。
光老化とは太陽光によって引き起こされる老化のことで、老化全体の約8割を占めています。また、自然老化は年齢を重ねることで皮膚の厚さや肌の色が薄く変化していくのに対し、光老化は紫外線を浴びた時間と強さに比例して、皮膚が厚くゴワゴワになっていき、色も濃くなるという特徴も。
外的刺激による肌へのダメージと違い、紫外線を浴びることでメラニン色素を作るメラノサイトが活性化されてしまい、このメラノサイトが過剰にメラニンを生成し蓄積することがシミやそばかすの原因にもなっています。
さらに、光老化は皮膚がんを発生する原因にもなるため、予防はかかせません。
●外出時の紫外線対策
外出時には水に強く落ちにくいウォータープルーフでSPF値・PA値が高い日焼け止めを、また天気が良くても近所への外出程度であればSPFやPAは最高値の半分以下を選ぶなどシーンや天候によって使い分けることで、皮膚への負担を抑えながら紫外線予防を行うようにしましょう。
また、紫外線は太陽高度によって振る量が変化するため、単純ではありますが紫外線量が多くなる正午前後の外出を控えるという方法もあります。
●室内での紫外線対策
室内は屋根や壁に守られているので、紫外線の影響を受けないと思う方もいるかと思いますが、波⻑が⻑いUV-Aはガラスやカーテンもある程度通過するため、気が付かないうちに紫外線を浴びている可能性も。
もちろん、屋外で直射日光を浴びるよりは影響が軽減されるものの、室内にいるからといって紫外線対策を怠ると、肌の老化を促す原因になるので、UVカット出来る窓ガラス・ガラスシートを張ったり、さらに遮光カーテンを取り付けるといった工夫を行うことも必要となってきます。
また、室内で過ごす休日でも、窓際にで就寝されたり過ごす方は日焼け止めを塗ることも検討しましょう。
日焼け止めや日差し除けはもちろん、肌が受けたダメージを内側からケアしていくことも大切なこと。
ここでは管理栄養士が推奨する、紫外線を内側からガードし肌を守るために摂りたい栄養素として「ビタミンC」と「ビタミンD」を紹介します。
シミの原因となるメラニンは、元々チロシンという無色透明のアミノ酸なのですが、チロシナーゼという酵素の働きによりチロシンを酸化させることでメラニンが生成され、色素沈着を起こすというのがメラニンが生成の要因。
ビタミンCには抗酸化作用があり、チロシナーゼを抑制してメラニン生成を抑える働きがあります。
また、生成されたメラニンを無色透明に還元する働きもあるため、予防に加えて今あるシミを薄くする効果も期待出来るのだそう。
さらにビタミンCは、コラーゲン合成を促進するビタミンです。コラーゲンは真皮にあり肌のツヤやハリに欠かせない重要な役割を担っています。しかし、紫外線にはコラーゲンや、同じく美肌を保つために重要なエラスチンを減少させ、シワやたるみをつくる働きも。
このためコラーゲンを合成出来るビタミンCは、シミ予防だけでなく美肌になる為にとても大切なビタミンとなります。
ビタミンCは野菜ならば赤・⻩ピーマンやゴーヤ、ブロッコリー。果物ならキウイフルーツやいちご、グレープフルーツやオレンジなどの柑橘類に多く含まれており、推奨摂取量も少量なので比較的摂りやすい栄養素。
しかし、水に溶けやすく熱に弱いため、茹でる・煮るといった調理方法では栄養成分がおよそ半分以下に分解されてしまうため、鮮度が良い状態のものを手早く水洗いし、なるべく生の状態で食べることが肝心。
サプリメントなどでビタミンCを補う場合は、朝晩だけではなく出来るだけ吸収率が良くなる3食の食後に摂取するのがおすすめとなります。
ビタミンDは、ビタミンCと違って直接的に紫外線予防が出来る栄養素ではないものの、カルシウムの吸収率を高めて骨を強くするのに欠かせないビタミン。
紫外線を浴びることで体内で生成出来るため、紫外線対策として日光を避けた生活をしていると、ビタミンD不足で免疫が落ち、体調不良や骨粗鬆症などを起こしてしまう可能性が出てきます。
また、骨を丈夫にする働きがあるビタミンDが不足してしまうことで、顔の骨が痩せてその分皮膚が余ってしまい、肌のシワやたるみに繋がってしまう可能性も。
紫外線対策によって2次被害を起こさない為にも、紫外線が厳しいこの時期は特に摂取しておきたいビタミンと言えるでしょう。
ビタミンDはサンマや鮭・アジなど、魚類に比較的多く含まれています。卵やきのこ類からも摂取出来るものの、含まれている量は魚類に比べるとあまり多くはありません。
しかし、人体と同じく日光に当てることでビタミンDが増えるものも存在。
乾燥きくらげなど乾物の中でも、しいたけは紫外線に当たることでビタミンD2の「エルゴステロール」が増加するため、生のものに比べて多くのビタミンDを摂取することが可能です。
ビタミンC、ビタミンDのほかに、紫外線対策としておすすめされているのが「ビタミンA」と「ビタミンE」。
この2種はビタミンCと相性が非常に良く、単体で摂取するよりも相乗効果でより多くの力を発揮するため、3種類を合わせて「ビタミンACE」と呼ばれ、近年美肌やアンチエイジングにおすすめの栄養素として注目されているそう。
ビタミンAには表皮細胞の分化を促し、ターンオーバーを整える作用があるため、これによりメラニンの排出も促しキメやくすみ、シミや小じわなど様々な肌悩みの改善に効果が期待出来るそう。
また、肌の乾燥や角質化を防ぐ効果も期待でき、免疫力を高めることからニキビ・肌荒れの予防にも効果的だと言われ、さらにビタミンEとCの働きを⻑持ちさせてくれるのも特徴なのだとか。
またビタミンEには血行促進効果があり、摂取した栄養が体の隅々まで行き届くサポートをしてくれる栄養素。
細胞の酸化を防ぐ効果が非常に高く、細胞の酸化を引き起こす活性酸素から体を守ることで、紫外線対策による光老化の予防にも非常に効果的なのだとか。
さらにビタミンEは自分を犠牲にして抗酸化作用を発揮する性質をもつためどんどん削られてしまう一方、ビタミンCが酸化してしまったビタミンEを再生する働きがあるので、一緒に摂ることが推奨されています。
ビタミンEは、卵やアーモンドオリーブオイルなどに含まれます。生で食べるよりも炒めものなど、油脂と一緒に摂取する方が、吸収率が高くなります。ビタミンA(β-カロテン)やビタミンCと一緒に摂ることで抗酸化力アップに繋がるそう。
ビタミンAはレバー・バター・ニンジンなどに、ビタミンEは卵・アーモンド・オリーブオイルなどに含まれています。
いかがだったでしょうか。
「まだ夏本番じゃない」「今日は日が出てないから…」といったことを思ってしまう6月。しかし、紫外線は着実に私たちの肌に降り注いでいます。
体の外側のケアだけでなく、インナーケアも行うことで、万全の紫外線対策を行うようにしてみてはいかがでしょうか。
特にインナーケアは、これらの栄養素を毎日しっかり摂取する必要がありますが、全ての栄養素を毎日必要量摂取するのは大変です。そういう時は、サプリメントなどにも頼って、これからさらに多くなる紫外線から肌を守りましょう。