前回は【ヨガ入門編】ということで、最も基本となる授業の体験記をお届けしました。その続編として、今回もヨガスクールのFIRSTSHIPで「ヨガ哲学」授業を体験してきました。「哲学」とは世界・人生の根本原理を追及する学問のこと。ヨガを通して私たちはどのように世界・人生と向き合うべきか、じっくり考えてみるきっかけとなるでしょう。なお本編を通しては「ヨガ」ではなく、本来のサンスクリット語の発音に近い「ヨーガ」と表記します。
「哲学」というと重いイメージだけど、授業の雰囲気はとても和やか
哲学の授業と聞くと少しばかり身構えてしまうものだと思います。取り扱うテーマがテーマだけに、とても重くて堅苦しいそのようなイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしFIRSTSHIPで受けた哲学の授業は、良い意味で想像と違うものでした。
ただただテキストを読み進めて授業を受けるのではなく、講師の方の体験談を交えながら話が進んでいきます。まさに「自分自身や世界への理解を深めていくという、人生そのものをかけて探求していく長い旅路」の中で生まれる、一つの新たな体験のように感じられました。講師の方のお話を聞き、さらにそれを自分の頭と心の中で反芻し噛みしめていきます。
今回私が参加した授業を担当していた講師の方は、実際にインドで哲学を専門的に学んでいたとのこと。それゆえに授業でお話をされている間、私自身に問いかけ、語りかけてもらえているように感じられました。また小話としてインドでの生活の体験談も聞くことができ、まるで小さな旅をしているかのようです。
「ヨーガ」の意味は結びつける?
「ヨーガ」という言葉の語源はサンスクリット語の動詞根√yuj(ユジュ)で、「牛馬にくびきをつけて車につなぐ」という意味。ですから「結びつける」「くびき」という意味があるわけです。では何と何が繋がり、何と何を結びつけるのでしょうか。「自分の体と心」「自己と他者」「自分と自然」など、さまざまなものが思い浮かぶはずです。
しかしヨーガの哲学書で最も古い聖典である『ヴェーダ』の教えでは、これらのものと繋がることはできないとされているのです。ではなぜ繋がることができないのか…。「繋がる」という行為をするためには、その対象となるものが2つ以上存在していなければならないはずです。
聖典『ヴェーダ』によると、世界は元々1つに繋がっているものとされています。最初から1つである以上、新たに繋がることはできません。私たちはこの繋がりをヨーガを学ぶことを通して見つけていくことになります。
このお話を聞いたとき、「これは初めての視点!」と私はかなりの衝撃を受けました。このような一つ一つの発見が哲学の授業を受ける醍醐味の一つではないかと思います。
ヨーガのゴールは幸せになること
ヨーガのゴールは「自分の真実を知ることで、本当の自由と幸せを手に入れる」ことですが、このように聞くと「自分の真実って何?」「本当の自由とは?」「そして、本当の幸せとは…?」という疑問が続々と湧いてきます。
しかしよく考えてみるとこの疑問が湧くこと自体が、まさしく哲学的な思考をしている状態ですよね。ヨーガの聖典を通して私たちは、その本当の自由と幸せに向けての生き方を教わることができるとのことです。
私たちは常日頃身の回りで起こるさまざまな出来事に直面しています。それがとても喜ばしくて楽しいこともあれば、辛くて悲しくて苦しいこともあります。ヨーガの生き方ではこのような日々の出来事を表面的に判断して結果に振り回されないよう、出来事をありのままに受け入れられる余裕のある心を育て磨いていくことになるということです。
私も哲学の授業をすべて終えた頃には「本質的な幸せに一歩でも二歩でも近づきたい」と思いながら授業に臨んでいました。
先人からの教えに対して感謝の気持ちを忘れないこと
哲学の講義では講義の始まりと終わりに、講師の方によるサンスクリット語でのお祈り(チャンティング)が行われます。先人の叡智を、このような形で学ぶことができることへの感謝の気持ちを唱えているとのことです。
サンスクリット語であるため、聞いてもすぐに理解することはできなかったのですが、今まで耳にしたことのないような音に乗ったお祈りは、不思議なくらいスッと胸の中に染み込んでくる感覚を味わえました。
一回で理解できなければ、何度でも授業に参加できる
正直講義を受けてみて「哲学」というものは教わるだけでは終わるものではなく、そこからさらに自らが考えるものでもあるため、一度で完璧に理解できた!という気持ちになることは中々難しいと感じます。実際私もこの授業を通して、その境地までたどり着くことはできませんでした。
そのようなときヨガスクールのFIRSTSHIPでは、単位制通学コースに入学すると、通学期間中であれば何度でも同じ授業を再受講することが可能だというのです!もちろんこれは哲学に限らず他のクラスも同様。せっかく学ぶのであればヨガの本質に近づくために、とことん学びたいものです。
再受講可能制度は、ヨガを愛し、学習意欲が高い方にとってこの上ないシステムだと思いますので、積極的に活用したいですね。
今回は、前回の入門編と比べてぐっと頭の中で考えることがとても多い講義でした。私たちが普段の生活の中で見逃しがちなことと今一度向き合う時間にもなったように思えます。毎日が何気なく過ぎてしまうことも多々ありますが、日々起こる小さな出来事にも感謝をしながら過ごすことができれば…。それだけで何気ない一日から素敵な一日に様変わりするのではないでしょうか。この体験記を読んでくださっている皆さんも素敵な一日を過ごせますように…!
次回は話題の「アーユルヴェーダ」の講義のレポートです。アーユルヴェーダ=ハーブやアロマといったものを思い浮かべている私が、講義を通してどのようなことを学び感じたかをお届けします!
情報提供元: Tonoel