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「春眠暁を覚えず」というフレーズにあるように、春に眠くなるのは仕方ない!と思っている人も多いのではないでしょうか。でも、本当にそうなのでしょうか?“ 生命科学 ”と呼ばれるアーユルヴェーダでは、「症状が出ているものには原因がある」と考えます。つまり眠くなるということにも理由があるわけです。さて、その理由とは一体なんでしょうか?アーユルヴェーダにおける、春の眠気解消法についてご紹介します。
特に日照時間の長さとして現れますが、季節によって自然の流れは変化していくもの。季節の移ろいは、私たちの体内リズムにも影響を与えています。春になると眠気を感じる原因は、次の3つが挙げられます。
冬は日照時間が短く、夜の時間が長くなるため自然と私たちの睡眠時間も長くなります。春になり、日照時間が短くなると夜明けが早くなり、私たちの睡眠時間は徐々に短くなっていきます。もともと睡眠不足になりやすい人は、更に睡眠時間が短縮され、眠気を感じやすくなるのです。
私たちの体内時計に働きかけ、自然な眠りへ誘導する睡眠ホルモンと呼ばれる“メラトニン”の分泌は、光によって調整されています。メラトニンは、朝日を浴びることで体内時計からの指令により分泌が抑えられます。そして体は活動モードになり、14~16時間経過すると、体内時計は再びメラトニンの分泌を開始し、私たちは眠りモードに入ります。
つまり、日照時間が変化する冬と春ではメラトニンの分泌量にも変化が起きます。体内にメラトニンを蓄えたまま冬の体内時計の状態で春を迎えてしまうと、昼間も眠気に襲われるということが生じるのです。
春は、暖かいぽかぽか陽気になったかと思ったら、雪が降るほどの寒さになったりと気温も気候も不安定。これが、私たちの自律神経の乱れをつくる原因となります。寒い冬の時期は、交感神経が優位になっていますが、暖かい春になるとリラックスモードの副交感神経が優位になってきます。不安定な気候が自律神経のバランスを崩すことで、眠気も起きやすくなるのですね。
アーユルヴェーダでは、健康に過ごすためには消化力がしっかり働いていることが大切だといいます。先ほどお伝えしたように、1年を通して私たちの体の機能は変化しています。この消化力も実は、1年の中で強さを増したり減退したりとサイクルがあります。このサイクルを理解して良い消化力を保つことがとても重要です。
私たちの体は睡眠中も光を感じています。寝室は遮光カーテンではなく、光が入るものにしてみましょう。自然光の刺激を受けて目覚めのホルモン“セロトニン”の分泌が開始されます。起きたらまずカーテンを開けて朝日を浴びることも大切です。また、逆に光刺激によってメラトニン分泌抑制がかかるため、寝る数時間前から間接照明などに切り替え、光刺激を低減させることで眠りを誘導しましょう。寝るときには真っ暗にすることがオススメです。
春の朝は、まだまだ肌寒く、布団から出るのが億劫になってついつい二度寝をしてしまいがち。アーユルヴェーダでは、日の出前の時間はヴァータという動きのエネルギーの働きにより、体も軽く目覚めやすいといいます。眠くなりやすい春こそ早起きを!
冷えや浮腫みを感じやすい春の朝には、少し汗ばむくらいの運動をして体を目覚めさせましょう。ヨガの太陽礼拝の練習もいいですね。
私たちの消化力は冷たいものの摂取により、更に低下してしまいます。温かく消化がスムーズに行われる軽めの食事を心がけましょう。春には、消化力を刺激するスパイス、生姜や黒胡椒、山椒などを上手に活用することもオススメです。消化に時間がかかる動物性たんぱく質や炭水化物の摂り過ぎに注意して、旬の野菜や春の山菜をたっぷりといただきましょう。