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最優秀賞を受賞した奥村さんのデザインは、鯉の力強さや成長を表現しつつ、健康的な生活のシンボルとして植物が添えられています。鯉は古くから「鯉の滝登り」の伝説で知られ、努力を重ねて目標を達成する力を象徴するとされています。また、鯉が泳いだ跡に植物が茂るデザインは、自然な美しさと健やかな生命力を表現しており、見る人の心を和ませる効果も期待されます。
【最優秀賞】奥村 さくらさん(キャラクターデザインコース2年)
モチーフとしたのは魚の鯉と植物。
鯉は鯉の滝登りの伝説から、力強さ、立身出世。
そして縄張りを持たず穏やかな性格から家庭円満の意味を持ちます。
そして泳いだ形跡にのびのびとした植物が現れている様子を表現。
鯉が泳ぐことでできる自然的な無限に続く現象を健やかに生きていくことを美しいデザインで表しています。
伊砂さんのデザインでは、日本で古くから長寿の象徴とされる「鶴」と「亀」が取り入れられています。健康を守ることの大切さを伝え、受診者が安心して健診を受けられるよう配慮された優しいデザインです。
【優秀賞】伊砂 和奏さん(ゲームクリエーションコース 1年)
鶴は千年、亀は万年と言われるように、検診を受けることによって健康に長生きしてほしいという思いを込めてデザインしました。
京都芸術大学は、学生のクリエイティブな力を活かして社会の課題解決を目指す「社会実装プロジェクト」を年間100件以上行っています。本プロジェクトもその一環で、地域の健康意識向上を目指す取り組みの一つです。学生たちはアートとデザインの力を活かし、地域のニーズに応えるデザインを創出し続けています。京都工場保健会との連携により、芸術教育がどのように地域社会に寄与できるかが具体的な形で示されています。
今回のプロジェクトの依頼元である京都工場保健会は、1941年に日本で初めて民間のレントゲン車を導入し、現在では44台もの健診車で年間50万人以上に健診サービスを提供しています。胸部や胃部、婦人科など多岐にわたる検診を行い、高品質な健康サービスを地域の人々に届けています。長年にわたり地域の健康を支え続けている京都工場保健会の活動と、芸術大学とのコラボレーションにより、さらに多くの人々が健診の重要性を認識するきっかけとなるでしょう。
若い芸術家たちが手掛けたデザインは、単なる「飾り」ではなく、地域の健康を支援する意識を高めるメッセージでもあります。特に、奥村さんと伊砂さんの作品は、アートが持つポジティブな影響力を証明していると感じます。健診車にラッピングされたアート作品が地域を巡回し、多くの人の目に触れることで、アートが社会と深くつながり、日々の健康を見つめ直すきっかけになるでしょう。芸術が担う役割は広がり続け、今後も多くの分野でその力が発揮されることを期待しています。