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―イマドキ受験生の5割以上が、進学先での勉強内容を「卒業後5年以内」に使いたいと回答
イマドキ受験生・それ以外の世代それぞれに進学先での勉強内容を活用したいタイミングについて聞いたところ、卒業後「5年以内」に使いたいと回答したイマドキ受験生は57.1%でした。他の世代の43.1%と比べて14ポイント高く、短期的な目標を見据えながら勉強していることが判明しました。一方、「明確なゴールを意識していない」という回答の割合は、他の世代が3割を超え、イマドキ受験生よりも高い結果となりました。
―「やりたいことを叶えるため」と強く考えている人は、10代・20代前半だと4割を超える
進学先で勉強する目的について各世代に質問し、どの程度当てはまるかを10段階で聞いたところ、「やりたいことを叶えるため」という項目に対して9~10点と回答した割合は、20代前半の56.7%が最多でした。10代も42.7%もおり、イマドキ受験生は自分のやりたいことを実現するために勉強している傾向が強いことが判明しました。Q2、Q3の結果を踏まえると、卒業後の短期的な目標が明確にあり、進学先ではそれを叶えるために勉強していることが示唆されました。一方、20代後半以降は「やりたいことを叶えるため」という項目に9~10点と回答した割合は、「やりたいことを見つけるため」と同程度で、将来の目指すべき姿を探しながら勉強に向き合っている人がいることも特徴として挙がりました。
―「100歳まで生きたい」と思う人の割合は、イマドキ受験生の特徴を持った人は、そうでない人と比べて11ポイント以上高い
100歳まで生きたい意向について質問したところ、「卒業後5年以内を見据えて勉強している」「やりたいことを叶えるために進学した」というイマドキ受験生の特徴を持った人の47.6%が「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答し、そうでない人の36.0%と比べて11.6ポイント高いことがわかりました。
調査結果に関して研究員・古田めぐみさんのコメント
本調査により、20代後半以降の世代は将来の目指すべき姿を探しながら学問に向き合っていたのに対し、イマドキ受験生は自分の叶えたいことが明確にあり、それを実現するために学問にまい進していることがわかりました。このように世代によって学びへの向き合い方が異なる背景には、社会環境の変化があると考えています。人生80年時代はブランドのある大学に入って大企業へ就職し、終身雇用で働く「シングルレール」な人生が主流でした。一つの仕事・職場にとどまる中長期的な視点が当たり前だったため、進学先が「将来を模索する場」であったと思います。 一方、近年は転職が一般的になるなど多様な働き方が認められている「マルチルート」になっています。言い換えれば、卒業後でも色々なキャリアを築く余地があるからこそ、まずは短期的な視点で目の前の目標を叶えるために、“今”ほしいスキルを学ぶ場に変わってきていると考えています。この変化に従って、受験も単なるゴールなのではなく、“自分の未来と向き合い、アップデートするチャンス”と捉えられているのではないでしょうか。受験のタイミングで、将来と向き合う人も多いと思いますが、100年という長い人生を前向きに生きる気持ちを増幅させることができる、貴重な時間とも捉えることができます。100年人生を幸せに過ごすことができるよう、全ての受験生を陰ながら応援しています。
「やりたいことを探すため」に大学受験をし、就職した後にようやく本当にやりたいことを見つけた筆者と比べると、イマドキ受験生は、自分の将来に対して意識がとても高く、明確なビジョンを持っているのだと感じました。昔も今も、受験に合格することがゴールではなく、その先の未来を切り開くためのスタート地点であり、大切なのは入学してから。わかっていても、受験は学生にとっては試練ですよね。でも、叶えたいことが明確にあるイマドキ受験生にとっては、目標を叶えるための試練ならば前向きに捉えられるかもしれません。人生100年時代。社会に出てからの長い道のりをどう過ごしていくのか。働き方だけでなく、社会に出る前の学びへの意識も変化しているようです。
Hakuhodo DY Matrix
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『100年生活者調査~受験編~』概要
・調査目的:人生100年時代における幸福と学びへの向き合い方の関係性把握
・調査手法:インターネットモニター調査
・調査期間:2023年11月
・調査対象者:17~59歳の男女453名