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3月4月は出会いと別れ、終わりと始まりの季節。
新生活に心を弾ませておられる方もおられるかもしれません。
サクラ吹雪をバックに、新しい姿に身を包み、さっそうと会社に向かう私。
「ついに社会人でかっこいい!」なんてついついにやけてしまうかも。
また新たな勤務地に引っ越したり、一人暮らしを始める方も多い事でしょう。
期待と不安で胸はドキドキ。
確かに何かが始まりそうなこの時期は楽しみでもありますが、「環境の変化」ほど人を疲れさせるものはありません。例えそれが喜ばしい変化であっても、です。
特に覚えておきたいのが、「新生活疲労」。
新しい生活が始まって少したってから起こる、今までに感じたことのないレベルの疲労感です。
また厄介なのが、新生活が始まってすぐはやる気もあり、アドレナリンがたくさん放出されているため、疲労感を感じにくく、キャパを超えたときに初めてグッと疲れが押し寄せるということ。
日ごろからちょっとずつセーブとコントロールができていればいいのですが、疲れているのに脳は元気だと勘違いし、自分の異常に気付きにくい事が問題を大きくしがちです。
この「新生活疲労」とは一体?
その原因と改善策は?
今回はこの時期に読みたい、気になる情報をご紹介します。
新生活疲労とその原因とは?
新生活疲労とは、新生活の始まる時期に「突然起きられなくなる」「強い疲労感」「休んでも疲労が消えない」「仕事や家事が手につかない」ことが起こることを言います。
多くの場合内科で内臓系の病気を疑いますが、何ともない事が多く、続いて精神疾患を疑い始めます。確かに新生活には不安とストレスがつきもの。過剰なストレスにさらされて「うつ病」や「適合障害」を起こす人は少なくありません。でも精神疾患を疑う前にチェックしていただきたいことが「栄養失調」です。
栄養失調?3食しっかり食べているのに?
栄養失調はおなか一杯食べているからと言ってならないものではありません。偏った食事や過度のアルコール摂取などで体が必要としている栄養素をしっかり補えていなければそれは「栄養失調」と言えます。
治療レベルでの栄養療法の普及に取り組む「国際オーソモレキュラー医学会」の会長を務める柳沢厚生医師は「当クリニックに来られる新生活疲労患者の多くは、適切な栄養指導と疲労回復に必要な栄養素を配合した点滴治療で快方に向かいます。」と述べます。
原因不明の長期的な疲労は、内臓疾患でも精神疾患でもなく、「栄養失調」の可能性が高く、必要な栄養素を補うだけで症状が改善する場合が少なくありません。
絶対摂りたい栄養素は?
新生活疲労の方の多くに不足しがちなのが「ビタミンB群」です。
ビタミンB群(B1、B2、B3、B5、B6、B12)とは、体のエネルギーを作るのに活躍する栄養素です。
口から摂りいれた食品を糖質、脂質に分解し、それをエネルギーに変える際、ビタミンB群が必要になります。
もちろんその他にも脳の働きや神経の働きを正常にするのに用いられたり、体の様々な機能が正常に働くのを助ける栄養素でもあります。
つまりビタミンB群がなければ食べたものをエネルギーに変えて力をつけることが出来ないという事ですね。
でもなんで新生活時にビタミンB群が特に不足するのでしょうか?
一つの理由は過度のストレスがビタミンB群を消費するからです。
新しい環境下でストレスにさらされている新社会人や新入社員は、知らず知らずのうちに多くのビタミンB群を失っています。
二番目の理由は過度のアルコール飲用。
新生活が始まり飲み会の席が多くなります。
不安を消し去るためいつもより羽目を外してしまうかもしれません。
ビタミンB1はアルコールの代謝に関与します。
アルコールの飲む量が多いとビタミンB群を多く使ってしまいます。
三番目の理由は偏った食事です。
コンビニ弁当、インスタント、外食が続いていませんか?
パンやパスタなど手軽ですぐおなかが膨れる炭水化物ばかり食べていませんか?
糖質の分解のためにビタミンB群が大量に用いられるため、ビタミンB群を摂取していないのに体内のビタミンB群が失われるという負のサイクルになります。
新生活疲労を克服するには?
方法はいたってシンプルです。
●アルコールの過剰摂取を控える
●糖質を減らす
●たんぱく質を増やす
これだけです。
疲れや癒えるまでお酒は我慢。
体を休ませてあげましょう。
糖質(炭水化物)はビタミンB群を消費してしまいます。
米、パン、麺は少なめにしてたんぱく質を多めに摂りましょう。
それでも改善が見られない場合は、ビタミン点滴やサプリメントで体質を改善する必要があります。と、柳澤医師は語ります。
かつおや秋刀魚、マグロなどの青魚、豚肉、納豆や豆腐などのたんぱく質がおすすめです。
体に優しくいたわりながらストレスの多い社会を乗り切って行きましょう!
新入社員だけでなく、頑張り屋さんの主婦、昇進したベテランサラリーマンも要注意!
もくもくと集中して一つの仕事をするエンジニア、クリエーター、作家なども疲労をためやすい人だと言われています。
「頑張る」というには日本人の美徳ですが、時には肩の荷を下ろして、自分の体の声や要求に耳を傾け、優しくケアしてあげましょう。
<情報提供>
一般社団法人 日本オーソモレキュラー医学会
柳澤 厚生 医師・医学博士
元杏林大学教授、スピックサロンメディカルクリニック院長
日本におけるビタミンC点滴によるガン細胞の抑制研究、統合医療研究の第一人者
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