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File no. 128
《Santa Maria Novella/サンタ・マリア・ノヴェッラ》
連載では、これまで世界中に点在する各業界の老舗ブランドと、その名作アイテムを紹介してきた。
その中には200年以上もの歴史を有する偉大なブランドも存在する。
冒頭でなぜこんなことを書くかというと、今回紹介するブランドの歴史がものすごいからだ。
これまでに紹介してきた中でも、圧倒的に最古。
なんとその起源は800年も前まで遡る。
早速、その歴史に触れてみたい。
ハーブ薬局《サンタ・マリア・ノヴェッラ》の起源は1221年。
ドミニコ会の修道士たちがフィレンツェに移住し、サンタ・マリア・ノヴェッラ修道院を創設したことから、その長い歴史が幕を開ける。
サンタ・マリア・ノヴェッラ修道院では、ドミニコ修道会の教義、癒しの実践として、製薬活動や医療的介護が行われていた。
こうした、人々を癒すための活動を続けるうちに自然と生まれたのが化粧品やフレグランス、ウェルネスのプロダクトだった。
1381年には既に発売されていた、現存する最古のレシピを誇る薔薇水「ローズウォーター」は当時、ペストがヨーロッパを襲っ
た際には消毒効果があると信じられ、空間の除菌などに使われたり薬として飲まれたりもした。
1533年には、ヴァロワ朝フランス王アンリ二世の元へ嫁ぐカテリーナ・ディ・メディチの依頼により、オーデコロンとして初め
てフランスに持ち込まれることに。
フランスの王室をも魅了したこのベルガモットを主とする爽やかな香りは、カテリーナ・ディ・メディチへの敬意が表され「ア
ックア・デッラ・レジーナ(王妃の水)」と名付けられる。
なんとこのオーデコロンの起源といわれる香りは、500年近い歴史を超えて今現在も存在。
その証拠に、写真で紹介しているオーデコロンこそが「アックア・デッラ・レジーナ」なのだ。
1612年には正式に薬局として認可され活動を開始。
現在もなお《サンタ・マリア・ノヴェッラ》は、世界最古の薬局として知られている。
その後も人々を癒すための製品の研究が続けられ、メディチ家はもちろん、各国の王侯貴族を魅了し続けてきた。
現代においても世界中のセレブリティや文化人、著名人を虜にしている。
ドミニコ修道会の教義、癒しの実践として生まれた《サンタ・マリア・ノヴェッラ》のプロダクトは、創業当初の教えを頑なに
守り続け、伝統のレシピによりつくられ続けている。
現在は800周年記念コレクションとして、特別な製品も展開中。
"香りの芸術"と称される最高峰の香りに、ぜひ触れてみてほしい。