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株式会社日本農業(東京都品川区)とセンコーグループホールディングス株式会社(東京都江東区)は2024年5月1日(水)、株式会社ジャパンフルーツロジスティカを設立。宇都宮市の遊休農地を活用し、シャインマスカットの生産・販売事業の拡大に取り組みます。
農林水産省「荒廃農地の現状と対策」によると、国内の耕作放棄地(主観ベース)の面積は42.3万haに上り、多くの土地で耕作が行われずに放置されています。高齢化や人口減少による担い手不足も進み、荒れた耕地が増えています。
法人の農業参入によって遊休農地・耕作放棄地解消や新たな担い手としての位置づけ、地域の雇用の維持・創出など、地域の活性化が期待されています。
それらの背景を踏まえて、日本農業とセンコーグループホールディングス(センコーGHD)はそれぞれが持つ資源や特徴を生かしながら、栃木県宇都宮市板戸町の遊休農地を含む約2反歩の土地を活用。
国内・海外市場において堅調な売上成長を続けているシャインマスカットの生産・販売を行うジャパンフルーツロジスティカ(JFL)を設立することととなりました。
新たに設立したJFLは、根域制限栽培によるシャインマスカットの生産事業を行います。根域制限栽培は根の分布域を遮根シートとルートラップシートの2枚のシートで制限し、潅水や施肥など効率的に管理できる栽培方法です。
従来の栽培方法に比べて小型化した樹体による作業負担の軽減、樹を整列させることによるシンプルな作業動線などの省力化が図れます。また、一定の作業のマニュアル化など作業の標準化ができる点も特徴です。定植から2年目で収穫が可能となり、早期多収を見込むことができます。
JFLでは生産開始から3年目での1反あたりの収穫量2トンを目標とし、生産面積拡大も計画立しています。収穫したシャインマスカットは、センコーGHDの流通や日本農業の販路を通じて国内外に販売していきます。
日本農業は「日本の農業で、世界を驚かす」をミッションに、生産から販売までを一気通貫で担い、産業の構造転換を目指しています。
国内における農産物の大規模輸出産地の形成、輸出用の大規模選果場の開設、タイや台湾、香港などアジアを中心とした海外販路の開拓、日本の優良な農産物品種を知的財産として活用した海外生産の強化などに取り組んでいます。
青森県のりんごをはじめ、ぶどう(栃木県)、キウイ(香川県・群馬県)、イチゴ(山梨県)、なし・もも(茨城県)、さつまいも(静岡県)の生産・流通・販売を行い、アジア各国への青果物の輸出も行っています。
センコーGHDは物流、商事、農業、ビジネスサポート、ライフサポートなどのサービスを提供。2022年に日本農業の取り組みに賛同し出資しています。
JFLの設立にあたり、グループの物流事業会社が国内配送と海外輸出業務を担い、ビジネスサポート事業会社が請求書発行などのBPO業務を行うといった、グループ全体でサービスを提供できる強みを発揮。
JFLの事業拡大に寄与するとともに、センコーグループの事業領域拡大につなげていく考えです。