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ストレスは悪いもので、出来るだけ減らすべきと一般的に言われます。では、その考えが思い込みであり、その思い込みこそが、ストレスの悪影響を引き出しているとしたらどうでしょうか。
ハーバードビジネスレビューによると、イェール大学のアリア・クラムとピーター・サロベイの新しい研究(英語論文)や、『幸福優位7つの法則』の著者ショーン・エイカーは、「ストレスを違う視点から捉えることで、プラスの影響を得ることが出来る」ことを伝えています。
ストレスとは、一般的に「困難や災難を経験(あるいは予期)すること」で、これは人間がもっている本能的な身体反応です。
一言でいえば、身体に「活」を入れるための反応で、覚醒レベルと集中力を高め、行く手を阻む障害に対処するために、肉体的・心理的な準備を整えるのです。さらに、ストレスが免疫機能を高めるという証拠もたくさん存在します。
また、ストレスは気力を高め、明晰さを増し、状況をより正確に把握できるようにし、障害を克服する過程で自信を強める効果もあります。
つまり、ストレスは悪者であると見られていますが、良い部分も持っているわけですね。勝負ごとに挑むときの適度な緊張感もこれにあたりそうです。
研究では、ストレスを悪いものだと考えている人々(大多数が該当するといってよい)を「ストレスは衰弱要因」と考えるグループとし、反対に、ストレスが学びと成長につながるなどの言葉に賛同した人々を、「ストレスは向上要因」と考えるグループとして定義。
ある国際金融機関の400名近い従業員を対象として、まずはストレスに対する意識を調査。その結果、「ストレスは向上要因」と考える人々は、(「ストレスは衰弱要因」のグループと比べて)より健康で、人生への満足度が高く、仕事のパフォーマンスでも優れていたのです。
対象者に対して、3分間のビデオを次の1週間に何本か見てもらいました。内容は2パターンのうちいずれかで、健康、パフォーマンス、自己成長に対してストレスのよい影響を描いたものと、悪い影響を描いたものでした。結果、よい影響のビデオを見たグループは、健康状態と仕事のパフォーマンスがかなり高まったと答えました。
他の調査でも、「ストレスは向上要因」だと考える人々は、より生産的な行動を取ることが多いという結果が示されています。(たとえば、ストレスのある仕事で他者にフィードバックを求めるなど)。生理的にも、ストレスに反応するホルモンである、コルチゾールの分泌量が適正になるそうです。(多すぎても少なすぎても良くない)
Photo:Day 96: Free Falling –Explored By SodanieChea
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