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パワーに勝る海外勢との熾烈な争い。100㎏級はオリンピック3大会続けてメダルを逃しています。北京五輪では、鈴木桂治が初戦敗退。ロンド五輪でも、優勝候補だった穴井隆将が2回戦敗退でした。
次の100㎏級を担うといわれた羽賀龍之介選手も、その流れを食い止めることはできませんでした。2年前まで、外国勢のパワーに圧倒され、勝てない日々が続いていたのです。
不調の背景には、何度も怪我を繰り返してきた左肩の不安がありました。手術はしたものの、再発の恐怖心から思い切って技をかけられなくなったいたのです。本人も「肩の怖さが残っていた」と振り返ります。
「関節内は修復しているにもかかわらず、内股をかけられなくなったりした」とか。「本当にそのときは苦しかった」と羽賀龍之介選手も話します。「いくら練習しても、練習ではできても試合では怖くては入れないようになってしまった」のです。
ロンドン五輪のあと、日本代表のコーチに就任した鈴木佳治選手。当時の羽賀選手を間近で見て「常に外国の選手に負けて負けて負けての繰り返しだった」と振り返ります。
鈴木選手がコーチになったときも「正直、まったく世界一になるとは思っていなかった」のです。「羽賀龍之介という選手は、たぶん強くはならないだろうと思っていた」といいます。「自分の技に対する自信がない。だから技をかけない。組み手もどうせやられるだろうという組手はわかる」のでした。