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そもそも体幹と手足は常に連動して動いているもの。日常生活でもスポーツでも、コンマ数秒の時間差でまず体幹を固めて安定させてから手足をダイナミックに動かすようになっているのです。
体幹は体の柱となるコアとなるもの。運動のメカニズム上、体の安定性は重心に近い体幹から順次確立されるという基本ルールがあります。高い位置に置いたものをとるときでさえ、無意識にお腹に力を入れているのです。
スポーツでは体幹が先行する動きはより顕著に現れます。野球のバッティングやゴルフのスイングでは、まず体幹を固めたのちに足と下半身で作った力を、再び固めた体幹を経由して両腕からバットやクラブにパワーを伝えるのです。
ここで体幹を鍛えるべきは、外側にあるアウターマッスルではなく、深層にあるインナーマッスル。シックスパックといわれる腹直筋ではなく、お腹をコルセットのように包む腹横筋です。
さらには、背骨をつなぎとめる多裂筋、お腹の天井にあたる横隔膜、骨盤の底を支える骨盤底筋群など。骨格的には背骨しかない腹部を、これらのインナーマッスルが固めてくれます。
いわば空気が詰まったサッカーボールのようなものを形成するのが、体幹のインナーマッスルの役目。こうして腹圧を高めることで背骨を適度に伸ばして固め、体幹を安定させてくれるのです。