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柔よく剛を制す…変幻自在の技で日本柔道の復活をけん引する男がいます。60㎏級代表の高藤直寿選手です。3年前、若干20歳で世界選手権に優勝。その柔道は世界を驚かせました。
相手の動きを察知して、次々と連続技を繰り出すの高藤選手の強みです。高藤選手が最初に仕掛けたのは大内刈り。相手を投げられないとみるや続けて浮き腰、それでも技は終わりません。最後は谷落としで1本勝ちです。
こうした切れ目のない技で、いくつもの勝利を手にしてきました。高藤選手の連速技は、どのようなメカニズムで生み出されるのでしょうか。高藤選手の体に特殊な塗料を塗ったマーカーを取り付け、32台の赤外線カメラでその動きを追いました。
さっそく、高藤直寿選手の組み手の様子を撮影します。まずは足を払って相手のバランスを崩すと、体が流れる方向へ先回りをしてあっという間に技を決めてしまいました。
技を決められた選手は「1つめの技を耐えたら、もう次の技が用意されている印象」とのこと。「耐えるために重心を置くと、その体勢に弱い技を次にかけられる」と証言します。
高藤選手本人は「自分のイメージでは頭の中に引き出しがいっぱい用意してあって、ばあっと開けて『これいけない』『これいけない』『これいけない』で『これいける』を1個見つけて…という作業をその瞬間に行っている」と話します。「頭の中でぱっとひらめきながら体を動かしている感じ」なのです。