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東京大学の研究室で、爆発的な瞬発力を生み出す羽賀選手の筋肉を詳細に調べることにしました。ここでは運動中の筋肉の活動を可視化することができます。これまで数々のトップアスリートの筋肉の特性を解明してきました。
さっそく筋肉の活動を捉えるセンサーを体中に取り付けて、羽賀選手に内股をかけてもらいます。真横からその姿を捉えると、力の入っている筋肉は赤く表示される仕組みです。
研究者たちの目に留まったのは、軸足の筋肉の反応の速さ。着地した瞬間、太ももは0.01秒、ふくらはぎは0.03秒の速さで収縮しています。これは陸上100mのトップアスリートに匹敵する反応速度です。
軸足は着地するとともに、下半身の回転を止めるブレーキとなります。そして、下半身を回転させていた力は上半身を回転させる瞬発力へと変わるのです。このとき、上半身にはほとんど力は入っていません。
軸足の筋肉の瞬発力が、羽賀選手の内股の瞬発力を生み出す源となっていたのです。「下半身の動きを上半身に伝えてくるっと回るということ。これが羽賀選手の筋肉の使い方の特徴」と研究室の教授は分析します。
「体の切り替え、筋肉の立ち上がりというのは、こんなに速く大きな力を切り替えることができるんだ」と感心するほど。「羽賀選手は明らかに、人間の体ができる限界の先端におられる方だと思う」と太鼓判が押されました。