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現在、世界ラインキング3位となった羽賀選手の内股を、日本柔道の歴史に名を刻む人に見てもらいました。アテネ五輪・100㎏超級金メダリストの鈴木桂治選手です。
鈴木選手が注目したのは、羽賀選手の上半身の動きです。内股とほかの技との区別がまったくつきません。「上半身は同じ形で、いくつかの技が出ている」と解説します。
柔道で組み合ったとき、視界に入るのはおもに相手の上半身。対戦する相手の目線で見た羽賀選手の動きを大内刈りと内股とで比べたとき、どちらの技なのか見分けがつきません。
ポイントは、内股のかけ方にあります。学生選手は、足の回転と同時に上半身をひねり始める形。一方、羽賀選手は腰から先を先にひねり、上半身はぎりぎりまで動かしていません。
羽賀選手独特の内股のかけ方が、相手に技を見分けにくくする効果を生んでいました。鈴木桂治選手は「相手は上半身が見えていても、下で動かれているのはわかりづらいもの。わかっていても防ぎようがない」と指摘します。
とはいえ、外国の選手でも情報戦略担当はいるもの。「こういうデータは出していると思う」とも鈴木選手は話します。「こういう動きをしてきたら内股だというデータは出していると思うけど、それでもかかるのが強さ。羽賀選手の内股の魅力だと思う」と話していました。