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これまで、脳が筋肉などを動かす指令をすべて出していると考えられてきました。しかし、じつは「筋肉が脳を動かす」という仕組みがあるのです。その典型的な例が筋肉をつけるための成長ホルモンの分泌。筋肉をつけるために重要なのは、筋肉を動かすと作られる乳酸だったのです。
筋肉をつけるために筋トレを行うと成長ホルモンが分泌します。成長ホルモンには筋肉や骨を強くする働きがあるのはご存じのとおりです。じつは成長ホルモンの分泌は、筋肉がコントロールしていることがわかってきました。
成長ホルモンは脳が指令を出すことで脳下垂体から分泌されるもの。これまでは、脳が筋肉を動かすために活発に働くと、その働きが刺激になって成長ホルモンを出すという指令が、脳から送られると考えられてきました。
しかし、この考え方が正しいとすると、いくつかの不具合があります。たとえば筋肉をつけるための筋トレをする夢を見たときにも、成長ホルモンが分泌されてしまうことに…。夢によって体の仕組みが暴走してしまう危険があることになります。
ここで登場するのが乳酸。疲労物質とも呼ばれる乳酸は、なんとなく悪いイメージがあります。しかし、脳の神経細胞の中には乳酸しかエネルギー源にできないものがあるなど、実際は体にとって必要不可欠なものです。
そして、乳酸は筋肉が激しく動いたときに作られます。激しいほどたくさん作られるため、乳酸が多いほど筋肉が使われたという、一種のバロメータです。
一方の筋肉には、この乳酸を察知する受容体があることがわかっています。じつは筋肉は大きな感覚器でもあるということ。そして、この受容体が乳酸を感じると、その信号が脳に伝わって、脳から脳下垂体へ成長ホルモンを分泌させる信号が送られていることが判明しているのです。
このことから、成長ホルモンを分泌させて筋肉をつけるには、脳をいかに働かせるかは重要ではありません。筋肉にいかに的確な刺激を与えるかが重要ということ。つまり、筋肉をつけるために重要なのは筋肉で作られる乳酸だったのです。
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