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マラソンや自転車のスポーツ選手は、心臓が一般の2倍近くも大きくなることがあります。これはスポーツ心臓と呼ばれる現象です。心臓が大きくなることで送り出す血液量がアップするため、安静時は少ない脈拍数で十分。このため、通常は心拍数がとても少ないことがあるのです。
人間の心臓が拍動する回数は、通常は1分間に60回ほど。しかし、スポーツ選手の中には心臓が鍛えられることで、心拍数がとても少ない人がいます。これが、いわゆるスポーツ心臓と呼ばれるものです。
自転車レースの最高峰「ツール・ド・フランス」で、5連覇という快挙を成し遂げたのがミゲル・インデュライン選手。彼は安静時の心拍数が世界一ゆっくりであることから、現役時代にギネスブックにも掲載されました。1分間の心臓の拍動はたった28回だったのです。
スポーツ選手の心臓の断面を超音波で測定してみると、一般の人と比べて大きくなっています。とくに持久力を必要とする競技であるマラソンや自転車などの選手は、運動中にたくさんの血液が必要です。
そこで、1回に送り出せる血液の量を増やすために、心臓自体が大きくなっているというわけ。このスポーツ心臓は一般人の2倍近くも大きくなることもあります。
スポーツ心臓で心臓が大きくなると、一度に送り出せる血液量が大幅にアップ。すると安静時には、送り出す回数が少なくて済むというわけです。
いわゆる危険な脈とびの目安は1分間に「40回以下」。しかしスポーツ心臓の場合は脈拍数が少なくても、この危険な脈とびの目安は当てはまりません。ちなみにスポーツ心臓は、運動をやめると元のサイズに戻ってしまいます。
スポーツ心臓は心臓が大きくなることで送り出す血液量がアップ。酸素や栄養が体の隅々に届くだけでなく、老廃物も大量に除去できます。そんなスポーツ心臓を目指すならインターバルトレーニングがおすすめです。
インターバルトレーニングは、無酸素系エネルギーと有酸素系エネルギーの供給を組み合わせたもの。2つのエネルギー供給を効率よく使うことで、心肺機能は一時的に低下します。
しかし、次に同じトレーニングで負荷がかかっても対応できるよう、心肺機能は超回復するのです。心肺機能が強化されてスポーツ心臓ができ上がっていくというわけ。無酸素運動と有酸素運動の組み合わせがスポーツ心臓を作り出します。
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