体を温める食べ物として知られている「生姜」は、冷えを解消するので健康のために毎日いろいろな料理に取り入れている人も少なくありません。そして、生姜の健康効果をさらに高めるのが「蒸し生姜」です。蒸し生姜がなぜ健康によいのか、そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。



生姜にジンゲロールとショウガオール


生姜には、特有の辛味の元となる「ジンゲロール」と「ショウガオール」という薬効成分が含まれています。「ジンゲロール」の作用は血液の中を流れ、手先や足先の末しょうで血管を広げるというものです。


これにより血流がよくなって手先や足先がポカポカしてきます。体を温めたり免疫力を高めたりする効果がありますが、これは深部にある熱を末しょうに送り出すことでもあるため深部体温はやや下がってしまうのです。


一方の「ショウガオール」は胃腸の壁を直接刺激して、血流を高めて深部の熱を作り出す働きがあります。体内の脂肪や糖質の燃焼を促進させて体温を上げる効果があるのです。ただし、生の生姜にショウガオールの効果はほとんどありません。


蒸し生姜には10倍のショウガオール


そして、生姜を乾燥させるとジンゲロールの一部がショウガオールに変化します。これをうまく利用するのが「蒸し生姜」です。蒸し生姜には、生の生姜の10倍のショウガオールが含まれています。乾燥生姜とほぼ同義です。


蒸し生姜の作り方は、生姜を厚さ1~2mmにスライスしたら、80度に設定したオーブンで1時間過熱。生姜が充分に乾燥したら完成となります。なかなか乾燥しなければ、天日干しや室内干しなどでもOKです。生姜特有の香りがなくなってしまうため薬味としては生に劣りますが、生姜の味が凝縮されて旨みは感じやすくなります。


じつは、乾燥生姜は冷えを改善するため、古くから漢方薬に使われているもの。中国の薬学書にも乾燥生姜は「寒冷腹痛を止める」「中を温める」という効能が記載されています。一方、生の生姜には「解熱作用がある」という記載。同じ生姜でも、生と乾燥では健康効果はまったくの別物だったのです。


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情報提供元: インナーマッスル
記事名:「 脂肪や糖質の燃焼が促進する「蒸し生姜」作り方