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淡路島西海岸、瀬戸内海を望む海沿いの道路に面して建ち、海と夕陽の絶景を一望できるロケーション。島内観光の拠点としても便利で、周辺には人気カフェや観光スポットも点在しています。
館内は広々としたロビーに組子細工が施され圧巻の美しさ。
ギャラリーにはガラスの花瓶などが陳列されています。
淡路瓦(がわら)の鬼瓦(がわら)や地元の逸品をそろえたショップもあります。
このように日本の美意識と淡路島らしさが融合した空間です。
客室は全20室すべてが海に面し、木の温もりあふれる和モダンな設え。
展望風呂付き、洋室、離れには庭付きのスイートと、好みに合わせた部屋タイプを選べます。
特に展望風呂は魅力的で、非日常の癒しを感じられます。
客室には、ヒノキ風呂やオーガニックアメニティ、天然由来成分95%以上のスパブランド「ラピデム」、Refaドライヤーなど、滞在を快適にするアイテムがそろいます。
低めのベッドや座り心地の良い肘掛け椅子。ティーセットやネスプレッソのコーヒーマシンが備えてあり、冷蔵庫のドリンクもフリーです。
館内でまず体験したいのが、天然温泉かけ流しの大浴場「洗心の湯」。やわらかな肌あたりの湯に身をゆだね、淡路島西海岸に沈む夕陽などを眺めながら、時間がゆっくりと流れていきます。
露天風呂やサウナも完備し、夜(16:00〜24:00)と朝(6:00〜10:00)の両方で楽しめるのも嬉しいポイント。朝も浴場がきれいに整えられていました。
夕食は、レストラン「和方」にて、発酵醸造料理人・伏木暢顕(ふしきのぶあき)シェフ監修の創作和食コース。淡路島の山海の幸を発酵や燻製(くんせい)、炭火焼などで仕上げ、素材の滋味を引き出しています。
大豆の葉の素揚げをのせた温かいスープ。焼きなすのほろ苦さが際立ちます。
梅のクズ包み、鯛味噌(たいみそ)の野菜巻きや焼き野菜の糠(かす)漬けなど、野菜も発酵の力で深みある味わいに。ホワイトコーン海老饅頭(まんじゅう)も好きな味わいで楽しめました。
熟成のうまみを白ポン酢や7年熟成しょうゆで。淡路西海岸の夕陽を模した小鉢には発酵たらこ、おから、オリーブオイルを和えた一品。
伊邪那美牛の中でも、この6月に新しく誕生したブランド母牛「伊邪那美黒牛」。赤身の濃いうまみをユズ煮込みソースで。焼き加減はミディアムレアがおすすめです。付け合わせは茄子(ナス)のピュレとじゃがいものコンフィ。
すてきなおわんに、由良港で水揚げされたサザエ入りのお澄まし。おだしは白出しと野菜の端材を合わせたもの。肝の苦みと磯の香りも味わえました。
淡路瓦(がわら)のブルーの美しい器で供されたのは、もっちり美味しいあこう鯛(だい)。魚にちゃんと塩が入っているのでそのままでもおいしいが、器のふたにちらされた塩をつけていただきます。
この塩は淡路島の星空をイメージしているかのようで、美しさを感じました。
まろやかな酢をまとった皮をとったキュウリ、しょうが、たっぷりのいくら、切昆布の下には冷たい茶碗蒸し。気の利いた逸品。
締めには「鱧(ハモ)の炊き込みご飯」。土鍋炊きです。出来立てを見せてもらいました。淡路の米のおいしさと水の処理にひと手間をかけていることで、ごはんに甘みとうまみがあってとてもおいしい。
「アオサのお味噌(みそ)」汁とセイタカアワダチソウとオオバの天ぷら添え。雑草として知られるセイタカアワダチソウを食材として楽しめるのは新鮮な体験でした。
少し苦みを感じます。良い経験でした。また漬物がいろいろと。奈良漬に至るまで他とは比べられないほどおいしい。さすが発酵のプロの手によるもの。
口当たりのなめらかなムースは、凍らせてアイスのような食感に。揚げ春巻きで包み、両端にナッツをあしらった姿はまるでカンノーリ。下には爽やかな鳴門オレンジのシャーベットが添えられ、甘みと酸味の絶妙なハーモニー。
クズの透明感の中にトマトの味わいが映える上品な一品。おうす(緑茶)とともに供され、器にはお香立てをアレンジして使用。目にも楽しい和の演出でした。
朝食は竈門(かまど)炊きの銀シャリに、淡路島天然魚の発酵干物、燻製(くんせい)野菜出汁の出汁巻卵いくらかけ、季節野菜の炊き合わせなど。納豆やとろろ、梅ドレッシングのサラダと、盛りだくさんのからだに優しい発酵メニューで一日を始められます。
このように「洗心和方」は、温泉、食、空間、すべてに淡路島の恵みと日本の美意識が息づく新しい癒しの宿。日常から少し離れ、五感で季節を感じながら、心とからだを穏やかにととのえる時間を過ごせます。
まだあまり知られていない隠れ家宿なので、静かに滞在されたい方にお勧めです。
洗心和方(せんしんわほう)
兵庫県淡路市野島蟇浦150
0799-64-9800